「おーちゃんの店」
地方の商店街には、人口減でもなにくそと頑張っているお店があるものです。先日うかがった群馬県富岡市の「朝日屋」さんがそうでした。地元で「おーちゃん」と呼ばれている女性が切り盛りしています。仏壇屋さんで、鍵屋さんで、台所用品屋さんで、お祭り用品屋さんで、さらにはご家族のコレクションや手作り作品の展示まであるお店。ブラリとよれば、おーちゃんとずっとおしゃべりもできます。QRコードを読み込んでから、なんてことはない、私の居場所のような店でした。
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富岡製糸場近くの中心商店街、そこにある集い処のような洋品店での月曜ごとに人が集まる飲み会で、おーちゃんと出会いました。おーちゃんがキムチやナムルを差し入れしてくれたので、私はしばらく、おーちゃんは近くの焼肉屋さんだと思いこんで会話していました。「お昼ご飯はありますか?」と私。「近所でおむすび買ってきて、うちの店で食べてもらっていいですよ」「何か定食みたいのは?」と私。「私のお昼ご飯ならあるけど、、、」とおーちゃん。結局、洋品店前の朝日屋さんという仏具や鍵のお店と分かるのに時間がかかりました。

で、飲み会のあった翌日、おーちゃんのお店に顔を出しました。なんだか懐かしいものがいっぱいあります。もちろん、仏壇やお線香も鍵も売っていますが、これなあに?と思うようなものがたくさんある。「ヘチマスポンジ」使ってわかる良いものは今も変わりません。と説明がある。うーーーん使ってみたい。

木製の皮むき。金属部分の角で、ジャガイモの芽などを取りやすい昔からの武器。おーちゃんが大好きで売るようになったというレトロなガラス食器。昔実家にあったような、バチンと挟む式のネズミ捕り。鍋、やかん、などなど。いったい何屋さん?


はて、これは・・・。カエルもアンティークな瓶もカメラも昔の錠前も、どうやらお舅さんが集めていたものらしい。一方、これは?姑さんの作品!吊るし飾りや、額に収まったマンダラやら。お義母はこういう手作りの物のお教室もされていたそうです。つまり、売りものではない。作品展示であり、コレクション披露であり。お店が広いので、こんな自由なことができる。「あのへんはね、祭りの時ここでみんなが飲むスペース」とおーちゃんが説明する畳スペース?みたいなところもある。「ここらで子どもたちは宿題やるの」という大きなテーブルも。応接も勉強部屋も居間も兼ねているお店なのでした。ご近所は、ぶらりと来て、長々しゃべって帰るらしい。


かくいう私も、おーちゃんと昔からの友達みたいに、笑ったり、騒いだり。あ、何も買わないで出てきちゃった。ごめんなさい。でもね、こういうお店が宝物ですね。東京の○○ヒルズなんてところにはないもの。富岡うらやましいなあ、と思ったのでした。

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