チャンポン話

スローライフ運動

長崎県に来たからはチャンポンが食べたい、と条件反射で涎が出る方が多いようです。雲仙フォーラムの前日、空港に着いて昼食となった時、もはやお店は長蛇の列でした。これは無理と我慢して路線バス・島原鉄道でオニギリを食べ食べ移動しました。翌日の「夜なべ談義」で食べられないかと画策したのですが、会場は「うどん屋さん兼居酒屋」で無理。結局、地元と他所の人が混ざるのはいいね、と「人のチャンポン」で満足としました。

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今回雲仙でお世話になった「雲仙人(くもせんにん)の会」は、“ごちゃ混ぜ”の会です。普通、市民の組織ができるとき、商工会女性部とか、JA青年部とか、調理師会とか、旅館組合とか、同業種の人が束ねられたり、さらに年代や性別で括られたりします。それは効率的で合意形成しやすいからでしょう。まあ、そういうのがこれまでの繋がり方でした。ある意味、扱いやすい組織だったと思います。

それが、だんだん「この指止まれ型」の組織になってきた。意志を持った多様な市民は、扱いやすい組織に括られるのは嫌なのです。同じような人の集まりでは刺激がないし、新しい出会いもない、つまり、つまらないわけです。だからごちゃ混ぜ感満載の組織が多くなってきた。極めて分かりにくい、いい意味で扱いにくい繋がりが増えています。わたしはそれが正解と思っています。意思表示や合意形成、そもそも話し合いの仕方も身についていない人達は、そういう繋がり方の中で自分を訓練するしかないのです。ごちゃ混ぜのほうが良い訓練ができます。結論が出るまでずっと話し合う、あっちからもこっちからも、良い意見や変てこりんな意見が飛び交う。これでいいわけです。効率的で無くていい。

そういう気持ちで、育っていったのが雲仙市の「雲仙人の会」でした。雲仙人(くもせんにん)とは、「地域を良くしようと、モノづくりやコトおこしをしている人のこと」。仙人はそれぞれ類稀な技や神通力を持っていることから、「雲仙」という地名に被せて「雲仙人」としたのでした。もちろんこの指止まれ方式ですから、ごちゃ混ぜ仙人集団です。ジャガイモ農家、在来種野菜を守る人、イタリア料理のシェフ、旅館の女将、鉄工場経営者、ホテルの料理長、ダンスの先生、役所職員、エトセトラ。

この面白い人たちと共に、今回のフォーラムを行ったわけです。思えば、こちら側「スローライフの会」もごちゃ混ぜ集団です。居住地はいろいろ、職業も年齢もキャリアも多様。なので、「雲仙人の会」と「スローライフの会」は同じようなごちゃ混ぜ体質で、最初からスッと馴染めたと思います。

「雲仙人の会」さん、今後も、親戚づきあいをよろしくお願いいたします。

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いろんな材料がふんだんに入って旨みが出る、チャンポン。これをいただいていると、「雲仙人の会」✖️「スローライフの会」で、グッと旨みがアップしたフォーラムだったなあと思ったわけです。はい。わたくし、フォーラムの翌日、写真の名物「小浜チャンポン」をいただいてしまいました。食べられなかった方、ごめんなさい。