こぶ高菜の絵本
長崎県雲仙市から「雲仙こぶ高菜」の絵本が届きました。雲仙市の伝統野菜、こぶのある高菜のことが絵本になったのです。タイトルは「おもいをつなぐたね」。描いたのは昨年、フォーラムでお世話になった「雲仙人(くもせんにん)の会」事務局の堀口はるかさん。長崎大学の学生さんとコラボして出来上がったようです。「種」の話や、調理法など内容も豊富。うれしくて、楽しくて、見終わると、新鮮な高菜を食べたように元気になりました。
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雲仙こぶ高菜のことは、仕事で雲仙に通うようになるまで私は知りませんでした。
というより、それまで、伝統野菜や、種取り農家などについても、私はよく知りませんでした。雲仙に通うようになり、雲仙コブタカナのことを通して、そういう分野のことに少し明るくなっていったです。
各地に個性的な野菜があったのに、近代化の中で、だんだん消滅して行ったこと。今、食べている普通の野菜は、流通しやすい、画一的な野菜であること。私たちは効率化を選び、豊かで多様な食文化を捨てたこと。など、気がつけば、知った時にはそんな大変なことになっていたのです。
そうした中で、生き残っている、いや、息を吹き返して、次に繋いでいる、コブタカナの存在は、実に大きなものでした。これは、ひとつの野菜のことでなく、ひとつの菜っ葉のことではないのでした。

一度絶えてしまったかのようだった雲仙こぶ高菜は、偶然の自生の発見や、わずかな種の保存の提供などによりその命を繋ぎ広げていくことになります。種の目覚めを手伝って、自家採種、有機栽培流れのなかで、増やし広めていった方たちのご苦労は大変なものです。私はこぶ高菜により、雲仙市にお住いの全国に知られる「種」の神様のような岩崎政利さんの存在を知りました。お仲間の馬場節枝さんからは、その美味しい食べ方を実際に教えていただきました。畑も見せていただきました。お二人が活動する「雲仙市伝統野菜を守り育む会」を堀口治香さん(今回の絵本の絵を担当)が得意のイラストで手伝っていることも知っていました。
その方たちが登場し、関わった今回の絵本なのですから、なおさらうれしく重い存在なのです。まだこの絵本は売り出されていないようですが、なんとか多くの皆さんに手に取っていただきたく思います。

眺めているうちに、あの雲仙こぶ高菜の生のシャキシャキした感触を思い出しました。そう、普通の高菜は怪獣の様に怖い葉っぱで、生など考えられませんが、こちらは生でいただけるのです。サッとオリーブオイルで炒めても美味しい。もちろん、漬けものにしたら無敵の美味さです。青々しい浅漬けもさわやかに美味しいし、黄金色が買った本漬けの旨味はたまりません。
この本漬けを使った、馬場さん作のグリッシーニやライスピザの美味しかったこと。
絵本の中には「たねをあやす」という言葉が出てきます。さやから種を取り出すこと、と(注)がありますが、そのしぐさは大事な赤ちゃんを「よしよし」とあやしているように見えます。守り育むことはあやすことなのでしょう。
「おいしい」と思ったならば、「大事」というならば、私も何かのお役に立たねばと思います。堀口さん送ったくださってありがとう。
※以前書いた、雲仙こぶ高菜のブログ。






