花咲かおばさん

ちょっとしたこと

以前、私は近くの歩道の花壇を、勝手に世話をしていたことがあります。今はそんな場所もなく残念なのですが、どうも同好の士がいるらしく、ここ数年、少し離れた歩道の三角スペースに黄花コスモスの苗を誰かが植えています。最近も草が抜かれて綺麗に。誰だろう?きっとあの女性では、と思える方はいるのですが・・。手伝いたい気持ちを抑え、今年も花を楽しませていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その、“以前”とは、港区麻布十番というところで、やたら人通りの多いところでした。その商店街のはずれ、六本木ヒルズに近い一等地なのに、歩道の三角州のような花壇が荒れていたのです。私はかねてより園芸好き、毎日見ていて我慢ならず、勝手に世話を始めました。「勝手花壇」です。いけないことなら誰かが注意するだろうと勝手に作業。茂ったドクダミを抜き、缶やらコンビニゴミなどを集め、酔っぱらいの残骸も。そして、土を掘りあげ新しいものを入れ、手のかからないゼラニウムを植えました。枝を折っては挿していって増やしたので、1年もすると素晴らしいゼラニウム花壇になりました。数年間、水やりが一番大変でしたが、誰からも咎められず「おばちゃんご苦労さん!」と声をかけてくれた人が多かったものです。引っ越してしまって、今はどうなっているのやら・・・。

今いる新宿区四谷三丁目は、自分のアパートにベランダはなく、植木鉢程度、園芸らしいことができません。さみしい思いをしながらも、花の種をこっそりと歩く道すがら歩道の横に蒔いたり、全く手入れがされていないマンション横の花壇に蒔いたり、なんてことをしています。上の写真がその結果、シコクフウロソウですが、自販機の横できれいに咲いてくれました。下の写真は、近くのマンション横。雑草が元気に茂っていますが、これを抜いたらマンションの持ち物に手を出したことになる、こっそり種をまいたのが、遠慮がちにかわいいピンクの花をつけました。同じくシコクフウロソウです。こんなとこの草を抜いてもいけないの?と田舎の方々には驚きでしょうね。都会での暮らしって、何を言われるか分からない。他人の敷地にあるものは手を出せないのです。

さて、冒頭の話に戻りましょう。ここは以前私が「勝手花壇」にしていた場所とケースは同じ、誰が世話するべきところなのか?です。もともと黄色いカンナが植わっていて、毎年芽は出すのですが、いつの間にか周りに玉すだれが縁取りに植えられ、黄花コスモスの苗も植えられるようになりました。夏から秋にかけて綺麗に咲きます。こぼれ種が落ちて、春にはたくさん芽が出ます。その元気なのを残して、誰かが一気に草取りもしてくれている。一番下の写真です。ここだけでなく、近くの街路樹の下も同じく黄花コスモスの苗を植えてくれている。

近くには大きなスーパーがあり、人通りが多く、保育園もあるので子供たちも通ります。私も含め、皆さんここの黄花コスモスを楽しんでおいででしょう。近くにあるあの靴屋さんのおばさんか?その隣のマンションのお掃除のおばさんか?お二人とも、なんとなく掃除用具などを持って花を見ておいでの時がある。だからどちらかが花咲かおばさんなのでは?そうかもしれない、と私は思っています。昼ではなく、どうも夜間か早朝に作業をしておいでのようです。現場を見たことはないのですが、、、。もしも、作業の現場を“押さえたら”、一緒にお世話させていただけませんか?と頼もうか・・・。でも、お楽しみに余計な仲間は邪魔になるし、そんなに広い場所でもないし。などなど、思う私も花咲かおばさんなのでした。