協働のコーディネート

お仕事で

大掛かりな話ではなく、地域おこしを住民・行政の協働で進める、そのワークショップなどの現場コーディネートの話です。

例えば受付で、住民が「こんにちは」と同じ住民を迎えるのか?行政担当者が「ご参加ありがとうございます」と住民を迎えるのか?

もうここで、そのワークショップの協働世界観が出来上がってしまいます。小さなことでも大きな違い。それを知る講座をしています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※先週はここまで書いて、私生活がバタバタし、このブログが途中でした。ごめんなさい!で、今回は続きです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ファシリテーターという言葉もありますが、コーディネーターはもう少し広い範囲の事、ワークショップの企画運営から会場設営のアドバイス、次なるみんなの“気持ちおこし”のアイディアだしまで、やることはいろいろです。

私の通う和歌山県紀の川市で、3回連続で「コーディネーター講座」をやっていますが、第1回目は「コーディネーターとは?」を“理屈編”として学びました。

写真のように、皆さんその役割は大事という認識はあるようです。

一昔前なら、強烈にみんなを行政も住民も束ねて引っ張っていくコンサルタントやアドバイザーが重宝だったでしょうが、今は、そういう時代じゃありません。

プレイヤーも事務方も楽しく上手に走れるように、後ろからゆったり扇いだり応援する係が必要な時代です。

参加者に、そういう役割が必要なんだ、とまずは初回で分かってもらいました。

そして2回目は“実践編”です。もしもこんなことがあったら?という想定を、各グループで考えて、コーディネーターが上手く乗り越えていくその様子を寸劇にしてもらいました。

自分のことを延々話すお年寄り、または自慢話を長々と話す人、などがいる場合があります。意見発表や合意形成以前に、こういう人がいると、みんなが話し合いそのものを嫌になってしまいます。

皆が「嫌だなあ」と思うまでほっておくと、その人自身も皆の中で「嫌な人」という印象になります。

この辺を上手に仕切るのが大事。話を止めながらも要点をまとめ、本人にも周囲にも嫌な思いをさせない。なかなか難しい“人扱い”です。

例えばそういうケースとか、をいろいろ各チームで考えて熱演となりました。参加者は市民・行政混ざっていますが、気づくところは結構一緒です。

文字で学ぶとさらっとしまうことが、役やセリフまで考えるとかなり濃く身についていきます。

“スマホばかりしている妊婦さん”とか、“ぶっきらぼうな元首長”とか、“私語の多い主婦2人”とか。役どころも工夫が一杯。

そして、みんな笑う!笑う!思わぬ人が、思わぬ才能を発揮して。こういうことも楽しいわけです。

まあ、こうしたトレーニングでは笑ってすみますが、実際、仕事としてやっている私などはいつも失敗ばかりです。

くたびれていて笑顔が続かなかったり、時間配分が上手くいかずに「時間がないから」と発言を遮ったり。紹介すべきことをすっかり忘れたり。

特に、紀の川市の100人規模のワークショップの操縦は力技でした。今でこそ50人くらいに落ち着いていますが、それでもまだまだ実のところ、パニックしてしまうことがあります。

生身の人間の集まる場のかじ取りは、エネルギーがいります。旅館や焼き鳥屋さんの女将さん等もそうでしょうね。

さて次回3回目は“企画編”です。(これからです)

現在、毎月行っている「フルーツツーリズム研究会」のワークショップを、実際にコーディネートするなら、ここをこのように直そう、ここをこうやってみよう、という案を皆で考えます。

そうすれば、ワークショップそのものの設えや運営まで、住民ができるようになる。行政が段取りしたものにお客様として参加する、ということがなくなって行きます。

ふうふう言っている、私の助手も講座参加者が手伝ってもらえるようになる。というわけです。

そうなったときに行政は何をするのか?ここが肝心でしょうね。今まで、住民の世話をしなくちゃならないから・・・とそれが仕事だと思ってきたのが、その次は?です。

お互い越えていく、今なのですね。