ドラム缶ピザ

お仕事で

ドラム缶でピザ窯造り、この話は以前書きました。そのピザ窯で、小さな集落が活気づいています。

何しろ分解移動可能で女性でも持てる重さ、小さなイベントにはもってこい。難しい調理はなく、地元の季節のものとチーズをのせるだけ。目の前で2分もあればファッと焼けて、大人も子どももピザは大好き。

ドラム缶ならどこででも窯造りに挑戦できますね。十津川村谷瀬集落で。
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http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=335&date=201510

その以前のブログはこちらです。↑和歌山県紀の川市の方々がやってきて、ドラム缶を切り分け、口を切り、窯に造ることを教えながら造ってくださいました。

谷瀬集落の人たちも、見よう見まねで造りました。ですから、ただどこかで買ったのでも、注文したわけでもない、愛着のある窯なわけです。

昨秋にはこの窯を使って、贅沢にも名産の松茸を入れた「松茸ピザ」を作る体験企画を実施しました。「ゆっくり体験」という集落の交流事業です。窯があることで、皆がくつろげました。

そして今回は、村のマラソン大会での出店です。今までなら、特産の高菜漬で作った「めはり寿司」や柚子に味噌を詰めたお酒の友「ゆうべし」がこの集落の商品ラインナップでした。

それが今回はピザです、しかも「ドラム缶ピザ」。名前を聞いただけで、どんなものかしら?と食べてみたくなりますね。


これがその窯です。会場へ運んで積み上げて、薪を燃して準備完了。後は、注文が入れば目の前で焼くだけです。


生地やソースには少々こだわりがあり、市販のものは使いません。豆乳ベースに谷瀬の味噌が入ったピザソースはオリジナル、しかもヘルシー。丸く伸ばしたピザ生地に、ソースを塗り、チーズと採れたての寒縮みホウレンソウ、そして高級珍味「ゆうべし」がトッピングにつきます。実はかなり大人の味のしゃれた味のピザでした。


それなのに、子供たちが続々と集まってきます。みんなドラム缶ピザ窯が面白いのでしょう。やはり、火を見たり、何かが焼けるのを見たりするのは、イベント性があって楽しいものですものね。


「はい焼けました~!」と、焼き手のお兄さんがピザを運んでくれるのをワクワクして待ちます。この日ずっと焼き続けてくれたのは、谷瀬にある関西電力寮に住む若いお兄さんたち。

彼らは集落内にいても、普段は集落の暮らしとは接触がありません。それがピザを焼くとなると、何となく面白そうで地域おこしイベントに参加してくれたのです。焼くほどに火加減の調節も覚え、ピザ職人のような顔つきになっていました。


ピザの下に敷いてあるのは、朴の葉です。当初はクッキングシートを使っていたのですが、真っ黒になるし、風情がない。同じ焦げるにしても山のものを使おうと、集落の人が思いついたのでした。

朴葉みそなどに使われる朴の葉です。一枚一枚拾い集め、洗って、平らにして乾かして。これだけでも手間がかかっています。

大人の味なのに、子供たちは「おいしかった~」とお皿を置いていきます。現代っ子は、けっこう大人味覚になっているのでしょうか。


こうしてピザは、お昼前に完売になってしまいました。するとつられて?めはり寿司も完売!

いえいえ、もともとここのめはり寿司はおいしいのです。ピザに引かれてこの存在がわかり、売れていくのなら万万歳です。


かわいいパッケージの「ゆうべし」も、「高菜漬」もすべて売れてしまったとか。


このドラム缶ピザ窯、単なるドラム缶ですが、なかなかの優れものでした。人を集め、ピザを焼き、人をつなぎ、地域おこしに勢いをつけてくれます。ほかのものを販売する、広告塔にもなってくれます。

さあ、次はどこで、どんなピザを焼きましょうか?

この日は本当にいい天気。山深い十津川村もお日様がよく照って暖かいくらい。

村の源泉かけ流しの共同湯近く、洗濯物がずらりと干してあるお家を発見。見ているだけで晴れ晴れする光景でした。

気持ちよくこんな様子を眺められたのは、やはりピザ完売という満足感からでしょうね。