「わくわくたんぽ会」

お仕事で

秋田県ではこの時期、新米で作る「きりたんぽ鍋」宴会が行われます。職場やグループなどで、忘年会や新年会、花見などと同じく行われる年中行事、呼び名は「たんぽ会」というそうです。

今年度、私は秋田県鹿角市大湯に通っています。建設が予定される道の駅に向けて、住民の方々とアイディアを出す「わくわく会議」、ここで先日、鍋ではないたんぽ料理がズラリ並びました。
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今回秋田県鹿角市大湯にうかがったのは、大風の吹いた翌日。風で落ちたのか、傷ついたのか、たくさんのリンゴがジュース用に集められている様子が道路わきに見えました。自然相手の仕事は大変です。

この大湯に何回来たでしょうか?以前この「わくわく会議」のことは書きました。また、道の駅ができた時に、出そうというお料理の研究、きりたんぽのアイディア料理のこともご紹介しています。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=228

でも、この前は、アドバイザーである私が、きりたんぽの使い方の発想を広げるために、こちらから提案したものが主でした。

その後、また会議を重ね、きりたんぽ料理以外の伝統料理などの試食会も開催、だんだん話が煮詰まってきていました。

他の催しと重なり皆忙しく、試食や試作もずいぶんしたので、今回の「わくわく会議」では、参加者の皆さん何も持ってこないかも?と思っていました。

で、まあそれでも食べられるものとして、出来合いレトルトのクラムチャウダーとミネストローネを買い込み、地元のきりたんぽ屋さんでたんぽ(切っていないものはそう呼びます)を買って会議会場に行きました。

私が関わる会議はたいてい“食”が絡むので、会議室だけでなく調理室もあるところをお願いしています。そこで、たんぽを切り始めていると。先ずは地元で「あまちこ」と呼ばれる甘酒が届き、「丸大根のあまちこ漬け」が届き、人とともに、次々と美味しいものが集まってきました。

きりたんぽを串に刺してアンコを塗った串団子風のきりたんぽ。これは揚げたのもあります。

中華風のあんかけになったきりたんぽ。

たんぽの中にニンジンとゴボウを入れて外側を豚肉で巻いた、まるで切り口がおせち料理のような美しさのきりたんぽ。

カラリと揚げてあるカレー味のおつまみ風のきりたんぽ。これは地元のおそば屋さん作。

次々現れる女性たちはきりたんぽ料理の研究家のような雰囲気で、自慢そうに風呂敷を開きます。

材料を細かく刻んでからみやすくしたカレーかけきりたんぽも意外においしいもの。私の持ち込んだ、レトルトスープかけのきりたんぽが、おいしいのではありますが貧弱に見えてきます。

「こんなきりたんぽバイキングがあったらいいね」などといいながら、次々と食べてきりたんぽで満腹になったところに、さらに「今焼けたから、届けました~」とお母さんに指示された若嫁さんがスイーツを持ち込みました。

おお、なんと「ライスプディング」風のケーキに、ライスではなくきりたんぽが入っています。やさしい甘さで、かつ食感がもちもちしておいしい!ペロリといただきました。

この日もいろいろなところで「きりたんぽ鍋」を味わう宴会「たんぽ会」が行われていたと思います。でも、こんなに工夫に満ちたきりたんぽを食べていたのはこの「わくわく会議」のメンバーだけでしょう。

今日は試作はないだろうな、と思っていただけに、みんなの熱意が強く響きました。道の駅はきっとこうして真面目に楽しんでいく人々に支えられて、愛される場になっていくのでしょう。

そして、きりたんぽの発祥地として、様々なきりたんぽ料理が味わえる、世界初のきりたんぽレストランができるかもしれません。

私のような立場の者が、いわゆる“指導”をしなくとも、もう大丈夫。「きりたんぽは素晴らしい素材、何でもできる」「若い人にも好かれるお米の食べ方を、きりたんぽで考えよう」こんな言葉が出て、こんなメニューが自然に並ぶのですから。

紅葉が美しい旅館に泊まり、大湯の温泉に浸かりながら、「今度は子供達にもきりたんぽアイディア料理を考えてもらおう・・・」と思っている私でした。