コーディネーター講座

お仕事で

市民の方が、ちょっとした催しを開くとき、ミーティングをするときなどに、なんだかどうも現場が上手く回せない、ということが多々あります。「どうぞ皆さん、リラックスして忌憚のないご意見を」なんて台詞を、進行側が緊張してこわばった顔で言ってもダメ。場の雰囲気作りや話の進行には、コツがあります。そんなことに目覚めていただく特訓?講座を、雲仙市で行いました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

普通は何回かに分けて行う研修内容を3時間に詰め込んだため、研修としてはずいぶんと駆け足でした。しかもコロナ禍です、なかなか思うようにホットな研修にはならない。それでもやっぱりリアルでやりたいとこだわって開催でした。まあまあなんとか、コーディネートすることの重要性、またどんなことをすればいいかなど、コーディネーターの世界は見渡すことは出来たと思います。

参加者は既に何らかの催し、会合などを企画・運営する側にあり、これまでに成功や失敗の経験がある方々でした。それだけに、コーディネートをする上での悩みは具体的です。「色んな意見をすばやく整理できない」「意見が言えない人にどう接するか」「表現力がない」「リーダーシップがない」「相手が心地良いと思える言葉の返し方」「緊張してこわばってしまう」「恥をかくのがイヤ」「自分がしゃべりすぎる」「視野が狭い」「時間配分下手」「全体を見れない空気を読めない」「場のふんいき作り」「アドリブ」「堂々と話せない」などなど。

今回は悩みをすっきり解決までは至りませんが、教材として、①「地域づくりの講座・イベントのための~やさしくわかる“コーディネートの36コツ”」1999年静岡県掛川市「地域づくり塾仕掛人ゼミ」生作成、②「地域現場まわしの15の心得」2018年和歌山県紀の川市コーディネート・ワークショップでの作成、③「ぷる博4 仕掛人さんにお願い いい催しにする12のコト」2020年和歌山県紀の川市(一社)紀の川フルーツ・ツーリズム作成、を配りました。思えば私、25年くらいこういうことばかりやってきたんですね・・・。

現場ではこういいうことに気をつけよう!と今回のために作った「~地域おこし会合・催し現場回しの、ちょっとしたこと~交流コワザ集」を配布、126アイテムをメモ出ししました。例えばこんな感じです。
「履物に注意」真っ先に行って引率しなくてはならないときに、ロングブーツは✕。ワークショップで皆が考えているとき、コツコツ音のなるヒールは✕。
「お菓子一つでも」カンロ飴なんてレトロなものは、それだけで「なつかしい~」の声が上がって和む。おせんべいは香り過ぎて雰囲気に合わないこともある。
「油性マジックに注意」水性だったら汚しても安心。揮発性の匂いは書く人が緊張する。
「トイレ」場所と、何時行けるのかのアナウンスは大事。
「花や動物など生もの」空間が柔らかくなる。固い会議に花を生ける。催しに子どもがいる、動物がいるのも雰囲気が和む。
「難しい言葉」復唱したり“みえる化”したり。なるべく専門用語は使わないほうがいい。
「発表する人の遠くに立って頷く」そうするとその人から声が出る。表情豊かに頷いてあげよう。
「催しの時間段取り」みんなが知っていると、時間通りに進む。貼りだしてもいい。
「なんでも完璧にしない」参加者が手伝い一緒に何かする時間が大事。用意しすぎないこと。
「写真は必ず」全景、中景、手元のアップや道具類なども。参加者の許可をとってから。

些細なことですが、これらの小さなことで大きく失敗することが多いものです。どんなに立派で斬新な料理を思いついても、それを作る材料をそろえ、調理する技を持ち、調味料を使いこなせなくては、料理は出来上がらないのですから。これまでの私の失敗談を山ほど話しました。

そして、「猪チーム」と「トマトチーム」に分かれて配役を決め、「もしもこんな人たちを相手にミーティングを進めるとしたら」と劇。笑う、笑う!

人材育成では身体性が大事、知識だけでなく五感を通してトレーニングすること、また人間力や生活力も磨かねばなりません。催しや会議など、扱う相手が生身の人間である以上、それが大切になってきます。今回はほんのつまみ食い程度の研修でしたが、パソコン上では鍛えられないこういう分野の学びの場を、市民の方々、行政職員にもっと機会提供できればと感じました。

4年通った雲仙市、最後の研修にご参加の皆さん、またね~。