高岡スローライフ逸品研究会

お仕事で

全国でご当地逸品開発などが盛んですが、「スローライフ逸品」という言葉を掲げているのはおそらくここだけでしょう。

富山県高岡市ここの商工会議所を窓口に、この研究会は発足。商品開発はもちろん「たかおか屋」という店も出しています。スローライフを、物を通して提案し、かつ売っていく。理念だけでない、スローライフグッズの開発と販売が始まっています。

先週から、私の仕事の分野の実り多かった秋の話題をご紹介していますが、高岡市の「高岡スローライフ逸品研究会」もその一つです。

もともと、高岡におみやげを作ろうと始まった助成事業での研究会ですが、その中で「ただ、売れるものを追いかけるのではなく、高岡からスローライフを提案できるものを作っていこう」ということになりました。

そして、その延長で空き店舗を利用して「スローライフの店 たかおか屋」をオープンしたのです。このことはかつて書きました。
http://noguchitomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=41&cat_id=3

開店は去年の夏ですから、もうずいぶん経っています。店を出しながら、店をやりながら、研究会はさまざまな研究をしてきました。私はコーディネーターの立場、先生はメンバーの中にいるそれぞれの専門家です。

小さな鱒寿司屋さんが、富山空港で売り場を確保できるようになるまでの苦労話。昆布好きの土地高岡の、昆布屋さんからの産地別昆布の話。ペーパーで作る、地元の祭り曳山のプレゼンテーション。仏具のおりんを楽器にして高岡駅に据えているメーカーが、さらに癒しの音グッズとしておりんを開発している話。

などなど、スローフードやスローな生活提案のものづくりの話題は絶えません。この研究会に出て、それでとても儲かるとか、新逸品が即生まれるというわけではありませんが、しずしずと皆のなかに「スローライフ」という価値観がしみこんでいることは確かです。

何でもいいから売れればいい、と思ったとたんに価格競争の土俵に上り、大手と戦って負けるだけ。それを誰もがわかっているのから、他の力を身につけていく。世の中何が正しくて、本当は何を求めているのか。何を作れば、もっと皆が地元・地域を愛することができるのか。いろいろ考えてきました。物づくり、販売は、まちづくりでもあるのです。

会員が作ったもの、扱っているものに自ら値札をつけ、開店前日に皆で並べた店「たかおか屋」。やってみると発見も多々あります。例えば、錫でできた水を浄化するもの。これを袋に何個か一緒にしているとなかなか売れません。また、何に使うのかもよくわかりません。

店先でバラして売り、実際に水に入れて使い方を示し、かつ、それだけでないインテリア性やアクセサリー性も引き出すと、売れる。などということも学んでいきます。細かく、丁寧に、はスローライフな商売の原点なのでしょう。

10月後半に名古屋であった、全国商店街シンポジウム。販売コーナーに「たかおか屋」も「たかおかスローライフ逸品会」の名で出展しました。最初の研究会から3年経っています。ここまでよくきたなあ~、と眺める私の後姿です。