「あしかが逸品堂」オープン

お仕事で

栃木県足利市の「一店逸品運動」のお世話をして、もう4年になります。先日空き店舗を借りて、皆の店「逸品堂」ができました。

逸品を売るだけでなく、店主が先生になって体験スクールなどをやる、「学び」のスペースとメニューを用意したことが特色です。

日本最古の学校「足利学校」のある地の「学び」がテーマの逸品運動。皆の店の開店で、関る店主たちも学ぶこと大です。

土地の人だけで活動ができて、コンサルタントなどなるべく早くいらなくなるのが正解、と私は思います。従って、最初の頃より足利へ伺う回数は減っていますが、逸品運動の活動は確実に育ってきました。

そして、今年は新逸品の開発や、商店街を歩き・学びイベント「夕涼みウォーク」に加え、ついにこの秋、10月30日に「あしかが逸品堂」という店まで開店させました。

「あしかが一店逸品の会」に参加の店主の皆さんは、さぞかし忙しかったと思います。

どこの土地でも私が逸品運動をやる時は、ワークショップから始めます。皆が話し、アイディアを出し、整理し、試作し、実行し、と、かなり皆、時間と手間をかけて苦労もします。

逸品運動は品物を作るだけではなく、その真髄は人が逸品になってっていくことだと思うからです。そういう意味では、今回の開店はお見事!と、私は心から拍手を送りました。

昨年の秋、逸品を集めて店を作った先輩の地、富山県高岡市の「たかおか屋」を訪ねました。このときは「店など、出せたらいいねえ~」くらいのイメージで、視察交流していたものです。

(富山県高岡市の「たかおか屋」を訪ねて)

それが今年、夏あたりから話がトントン進みました。店のコンセプトは「食べる、買う、学ぶ」、と決まったのは7月頃の話です。

3つの店が長屋のようになったところを借りて、皆でリニューアルしました。逸品会には建材屋さん、建具屋さん、画家としても活躍するCD屋さんなどがいます。

店はたちまち美しくなりました。各人、自分の店の閉店後に集まり、ペンキを塗ったりもしました。と言っても、私は参加もせずに、がんばれとエールを送り、試食に行った程度。

皆がこれまでに培った‘ものさし’で、それぞれを判断し、具体化していったのだと思います。

ベーグル屋さんとアンコのおいしい今川焼き屋さん、そこに地元の牛乳が加わって、ベーグル生地でコーンを焼いた「アンコ入りベーグルソフトクリーム」が登場。

(ベーグルソフトの試食会で)

足利を代表するソース屋さんが手ほどきをし、足利名物のジャガイモ入りの焼きソバ「ポテト焼きソバ」も。

逸品会で知り合った、ソースカツ丼を出す料亭とおいしいパン屋さんがコラボして、「ソースカツバーガー」もできました。

自分の店はブティックなのだけれど、ここではエコ鉛筆なんてアイディア商品を置いてみる。店では箱売りのお菓子を、ここではバラで売る。自分のお店ではあまり売れない帽子が、ここだと売れる。など、さまざまな実験や発見が起きています。

そして、「あしかが一店逸品の会」会員の店主が先生で開くスクールは「手づくりストラップのレーザー加工」「新聞エコバック作り」「手作りアート」「木工教室」「ワインスクール」「ベーグル作り」などなど。土・日中心に開催です。

商店街はどこも大変です。でも、逸品運動などで、さまざまな業種の個店が出会い、力をあわせて何かをやることの楽しさを知ったとき、パワーは足し算よりも、掛け算的に膨らみます。そう実感した開店でした。

「あしかが逸品堂」、さあ、これからが勝負。皆さまどうぞ、ごひいきに。"