おばちゃんストリート

お仕事で

愛知県瀬戸市・末広町商店街に、一店逸品運動のアドバイスに通っています。ここでは今年春先から「おばちゃんストリート」と名乗り、「おばちゃん逸品」をクローズアップしています。

逸品といっても大げさなものではありません。「お茶、50グラムからはかります」なんて、昔からあたりまえにやってきたこと、でも大型店はしないことを目立たせました。おばちゃんたちが喜んでいます。

1年前、一店逸品運動をやろうと集まったのは、商店街のおかみさんたちでした。何か運動のコンセプトをと考えたとき、この商店街は中高年の女性のお客様が多いことに気づきました。

もちろん自分たちも同じ立場。それなら主人公は‘おばちゃん’だ。ということになりました。‘おばちゃんが待っている、おばちゃん逸品が揃っている、おばちゃんのための商店街’そんな‘おばちゃんストリート’といいはじめました。

ここまで決まっても、急におばちゃん向けの新しい逸品などは開発できません。でも、何も新しく考えなくとも、今既に結構自慢できるもの・ことがあるんじゃない?ということになりました。

冒頭に紹介したお茶屋さんのように、「一人暮らしのおばちゃんはお茶をちょっとだけ買いたいのだから、うちでは50グラムからはかりますよ。それって当たり前だと思ってやってきたけど・・・」というようなことがここにはたくさんあるのでした。

「キュウリ・玉ネギ1個から買えます」「のり巻きの細巻き1本から買えます」「お刺身その場で、3切れでも、ほしいだけ切ります」「夏のサンダル汗で痛んだ中敷交換します」

「学生服、成長に合わせて袖だしします」「眉毛10分で整えます」「写経のセットあります」「枕用の蕎麦ガラあります」「かわいい祝儀袋一杯あります」「サイズ5Lまであります」「90歳のおばあちゃんが作った腕カバーです」などなど。

一つ一つはたいしたことではないのですが、どれも‘節約しながらも、前向きに生きたい’志向の、今のおばちゃんたちの心をグッとつかむものばかりです。

それらを手描きのマップにしたら、お客様のおばちゃんたちが喜びました。トイレやベンチの場所もわかります。入ったことのない店の特色もわかりました。

マップは、電気屋さんと喫茶店の若めのおばちゃんが絵や文字を担当しました。他のお店のおばちゃんは走り回って情報を集め、校正しました。全く手描きでコピーするだけのマップなので、直しは簡単。もう3回もリニューアルしています。

マップに載せたのと同じ内容を、各店がポップに書き出しました。おばちゃんキャラクターが笑っている、共通ポップ用紙にお店のおばちゃんが自力で描きます。

各店の工夫と個性が光り、それぞれながめて回るとおもしろいです。ポップがずらっと並んだだけで、何だか商店街がにぎにぎしくなりました。マップとあわせて、ポップももう3回も作っています。

ご主人と一緒にポップ描きを楽しむおばちゃん、息子のお嫁さんがこんなに上手に描いてくれたと自慢するおばちゃん。それを見て、また立ち話するお客様のおばちゃんたち。

何にもお金をかけていない、素人作品のマップとポップで、お店のおばちゃんもお客様のおばちゃんも、何だか楽しくなっています。

さて、この夏からは、‘おばちゃん新逸品’など、開発してみましょうか?マップの裏は寄せ書きの‘おばちゃん瓦版’にしましょう。瀬戸市・末広町商店街、ますます、楽しくなるおばちゃんストリートです。