守山市・飯麹(いいこうじ)

お仕事で

滋賀県守山市では、いわゆる熟れ寿司の「鮒寿司」が作られています。鮒を包んで漬け込んでいたご飯は、飯(いい)と呼ばれ、乳酸菌と旨みの塊のようなものなのですが、あまり大事にされてきませんでした。

それが今回、ブームの塩麹と合体し、究極の発酵調味料となりました。ズバリ、美味しいです。名づけて「飯麹」。東北支援の一つの形として、守山市民ががんばりました。

そもそもは「東北復興支援ビジネスマッチング事業」という守山商工会議所が窓口での動きです。

東北のどことどのようにマッチングしていくのか、集まった守山のみんなは悩みました。ご縁のある被災地に出かけて視察・相談したりもしました。で、結局は、福島県の塩麹と守山・鮒寿司の「飯(いい)」を混ぜて、調味料を開発するに至ったのでした。

これは私が我家で実験中の写真。鮒寿司をご存知なら、「飯」も多少臭うことが想像できると思います。小さなマンションは、発酵調味料の臭いに満ちました。

ニンジンを即席漬けにすると、「飯」の酸味で糠みそ漬けのような味です。

サーモンを漬け込みました。塩麹漬けにはしたことがありますが、「飯」と「塩麹」は初めてです。

研究会で焼いて食べたら大好評!塩麹漬けよりも、酸味が在る分、さっぱりとした旨みです。

昔は「飯」をこのように団子にして、炙っておやつに食べたとか。滋養のあるおやつだったわけです。

研究会では普通の食事の何にこの「飯」+「塩麹」の調味料が合うのか、いろいろ試してみました。

何回目かの研究会。ついに駅前のホテルで近江牛の「飯」+「塩麹」漬けが試作登場。たんぱく質がぐっと美味しく、やわらかくなります。今後ここのホテルの名物料理になるでしょう。

塩麹を使ったお菓子は多いですが、「飯」が加わってクッキーはチーズのような酸味があります。特に男性に好評でした。

これまでに「ふなずしパイ」を作っている洋菓子屋さん、クッキーは自信作のようです。

スープパスタに「飯」+「塩麹」を使用。麹の旨みとチーズのような酸味がオリーブオイルにあいます。

これは私の手。「飯」+「塩麹」に無塩ナッツを砕いて混ぜて、トマトやクラッカーにのせておつまみとして食べたらどうか?と実験中。

名前は『飯(いい)麹』に決定。そして、ついに去る2月18日、一般の方々をお招きして、“新発酵調味料「飯麹」誕生!セミナー&試食会”の開催となったのです。

以前から福島の「イカニンジン」作りを広め、支援活動をしてきたメンバーの一人がご挨拶。今回は、「ワカメの飯麹スープ」を考案。

会場には本来の鮒寿司の展示もあり、臭いに満ちました。

鮒寿司飯(左) 飯麹(中) 塩麹(右)

こういう展示は、研究会メンバーの手作り。

和菓子屋さんは飯麹いりの大福を開発。

そのほか、飯麹里芋コロッケ、鮭の飯麹漬け、鮭と白菜の飯麹〆、菜の花飯麹サラダ、豚肉と菜の花の飯麹ロール、飯麹シュークリームなどなど。参加した子連れのママさんたちにも初めての味でしょう。

私作のナッツ入り簡単飯麹ディップも。

なんだかんだこれからの商品化は大変ですが、先ずは今回「飯麹」のデビューでスタートに着いた感じです。

地元の方はあまり注目していなかった「鮒寿司」の「飯」ですが、私はこれにたくさんの栄養と味と可能性が在ると確信しています。これから広めますよ~~~~。

全てに飯麹と使ったので、実は口の中がしょっぱい感じに・・・。最後にいただいた守山の産物・生で食べられる菜花のおいしかったこと!