オンラインで伝承の味体験

お仕事で

奈良・三重・和歌山各県南部に伝わる「めはり寿司」。高菜漬でご飯をくるんだ巨大なおにぎり、大口を開け目を見開いてかぶりつくためこの名があります。最近は小さめですが、家々のこだわりの味つけや作り方は守られています。その体験教室をオンラインで行いました。あらかじめ材料を送り、村の女性が先生、参加は女子大生です。大笑いしながらも何とか完成し、かぶりつきました。

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さて、久しぶりのブログです。1月は、「スローライフ瓦版」がお休みだったり、私がしっかりコロナ感染したりでぽわんと過ごしていました。でもそれなりに皆さんへお伝えしたいことがたまっておりました。その第一弾がこれです。

昨年夏から、奈良県十津川村の特産品ブラッシュアップのお手伝いをしてきました。みんなで集まる会の名前をつけたり、学生さんが混じったり、私のNPOの仲間がモニターになってくれたり、そんな中でいろいろ試作や実験を村の方々がされてきたものです。

平地の少ない村で、特産品というと限られます。モノを作って売ることもありますが、体験を売り物にして、村を愛する人を育て、繋がれればと、「体験BOX」なるものを考えました。実験ですから、出来そうなことでやってみました。私がというより、村の有志がです。

ふだんから、朝市や道の駅で「めはり寿司」を売っている方が、お仲間の協力を得て「めはり寿司体験セット」を作りました。高菜漬け、調味料、作り方の説明書、それらを箱に収めて、奈良女子大学に送ります。協力いただいたのは、長く十津川村を応援されている室崎千重先生のゼミ生です。

そして、オンラインで村と大学を結び、「体験教室」が始まりました。村の谷瀬集落に去年できた「ラボ」という名のカフェがスタジオ?です。ここの方と、めはりの先生とで説明書きから何からコラボで行ったのです。

さて、ちゃんとできるでしょうか?この体験教室までが、今後、商品になるわけですから、横にいる私を含め、ほかのメンバーは見学です。最初は緊張でしたが、始まると、十津川の方言や、学生さんの反応やらで皆が大笑い。

そのうち、めはり寿司のいい匂いに、お腹がなって、唾がでて、見学者は早く食べたい一心です。待つこと1時間弱、出来上がって、みんなでかぶりつきました。いつもより美味しく感じます。出来立てです。満足!伝統の味が、オンラインで、大学と村で同時に味わえました。

なのですが、それだけでは実験になりません。楽しかった、美味しかったは当たり前。その後にオンラインで話し合いとなりました。さあ、この体験をいくらなら買うのか?いくらで売れば利益が出るのか?皆が考えて発言します。あわせて、今後はどんな体験なら可能なのかもアイデアをだします。

 

「干し芋作りは時間がかかって無理」「なれずしも難しい」「でも食べ物がいい」「梅仕事ならいいかも」「体験だけでなく、その後、村に来てくれるようにすすめないと」「数人では利益が出ないから、何カ所かのグループで体験してもらわないと」「そのお客さんをどう捕まえるのか」「原価はいったいいくら」「人件費も考えないと」「杉玉作りなどやってみたい」と意見は山盛りに出ましたが、さてさて今後どうなりますやら。

こういう楽しさを実際に試行して、初めてわかることが多いものです。お二人とほかのお仲間もお疲れさまでした。さあ、これから、ですよ~~~。