漬物がたり

お仕事で

栃木県那須町で、漬物をテーマに催しがありました。たかが漬物されど漬物、漬物ひとつで話が広がり深まります。各お家の漬物にはそれぞれの工夫や思い出話、物語がありました。

開拓農民としての故郷の味、親父が漬ける味、清流の冷たさを利用した漬け方、耳を傾けていると実におもしろい。単に野菜の保存や味のためだけでない、何か譲れない庶民の意地みたいなものを感じました。

今年で8回目を迎えた「食と農、地域連携フォーラム なすとらん会議」です。毎年、那須の住民組織「なすとらん倶楽部」が仕切っていますが、今年は“再発見!我家の味、自慢の味、那須の味”ということで、「那須の食の原点が見えてくる!那須つけもの語り」がメインのテーマでした。

地元の方、遠くの方が自分の漬物レシピを公開。ホテル会場は漬物臭に満ちました。私も、高菜の漬物色の着物、タクワン色の帯で出動。

大根をナタでザックリ大きく切って、焼酎に漬けたもの。いくつでもバリバリ食べられます。漬物は繊維をとるための、大事な食べ方なんですね。

白菜の古漬けと、高菜の古漬けの“キンピラ”。古漬けの酸味はまたひと味ちがう旨みを作ってくれます。お腹の調子も整えてくれますね。

「旅行の時には必ず作るので、みんな楽しみにしてくれます」「いろいろ作って、みんなに分けることがすき」「開拓で入った人が周りにいるんで、全国のお漬物が食べられる」「昔は凍った樽の氷を割って、中の漬物を出したの」「形が悪い野菜も漬物なら活用できる、漬物はそういう役割もあります」「ナスの色を上手に出すのは、これは絶対に秘密」

「夏のうちの“どぶ漬け”は最高。どぶっていっても湧き水が流れてんだから、そこに一斗缶に漬けたキュウリを缶ごと入れると、温度がいいんだね。ちょうど良く漬かるよ」みんながてんでに“漬物がたり”です。

ステージでは“漬物”を“発酵食品”分野にまで広げ、那須の味を語りました。チーズ工房の方、ヨーグルト工房の方、味噌屋さん、漬物名人のおばちゃん、「なすとらん倶楽部」の前会長など。語る時間が足りなくてごめんなさい。

テーブルには次々と漬物とともに、漬物料理が。これは漬物寿司。

漬物パスタ。漬物は一つの調味料、塩味や旨みを味付けてくれます。キュウリの古漬けがオリーブオイルとあいます。

昔ながらの石と樽を使った漬物が・・・。

こんな素敵な一皿にもなります!

那須には良い野菜が一杯、良い人が一杯、だから漬物が美味しいんだなと思いました。「漬物がたりパートⅡ」やりましょ~。