那須塩原のカフェへ

ちょっとしたこと

那須塩原市ができて10周年の、記念シンポジウムに参加しました。定住人口を増やすことが話題に。

終了後、会場近くの黒磯の商店街に新しくできたカフェで友達と語り合いました。古い商店街が若者にリメイクされ、個性的で独特な雰囲気のカフェストリートになりつつあります。

東京から近いこの町に、観光というより「カフェに行く」交流もありうるなあ、と思いました。

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黒磯駅前から15分ほど歩いたあたり、正確には那須塩原市高砂町。10年前に合併する前の≪黒磯市 中央商店街≫という看板がついている通り。一見、何処にでもある地方のシャッター通りなのですが・・・。

よく見ると、古いようで新しい。かつてのお店や住宅・アパートなどに、新しく、かつ古っぽく改築して、雰囲気を出しているお店がカフェを中心に7~8軒並んでいます。わあ、トタンの外観!私には懐かしく、若い人にはオシャレなのでしょう。

シャッター通りなのに、ところどころで「かわいい~~」という声が上がれば、大丈夫。新しい命が吹き込まれたということです。インテリアや食器、ファッション小物、山用品など、いずれもセレクトショップのしつらえ。


かつてなら「東京にあるようなお店」という言い方をしたでしょうが、今は、こうして地方のほうがオシャレだったり、進んでいたり、挑戦したりしていますね。花を活けるにも、野山に枝物は豊富にあり、骨董は古い民家にごろごろしている、活ける空間もたっぷり、です。

この商店街に最初にカフェを開いたという伝説的なカフェ「1988 CAFE SHOZO」です。ここで修行して、全国に巣立ったカフェ文化の伝道師?も多いとか。一階にはお菓子や雑貨があります。


「1988 CAFE SHOZO」の2階。懐かしいイスとテーブルが、新しい命をもらってうれしそうに並んでいました。定番の焼きたてスコーンが積まれていておいしそう。笑顔がキラキラした若い店員さんばかり。「ここで働けていいですね」と声をかけると「はい、地元なんです」と。地元で育って、地元で働ける、それがうれしいという気持ちが伝わってきました。


食事をしたのはここ。昨年オープンしたばかりの「Chus」(チャウス)という店。那須といえば「茶臼岳」ですものね。


もとは家具屋さんだったそうです。だから広いし大きいし。こういうお店というか、空間は、全国の商店街にあるはずです。外から覗いて見えるのが、軽トラ?!こんなものまで入れ込んで、中ではお野菜も売っています。


洗面所の蛇口の古っぽくておしゃれなこと。いろいろなこだわりが伝わってきます。


もともと那須町で朝市を企画している若者たちが出資して始めたとのこと。だから店内で、年じゅう軽トラ市をやっている風情なのです。


広い店内。これなら子供を連れて、カフェでご飯もOK。若い家族がオシャレに過ごせるお店があるかなしかで、その田舎の価値が決まる、と思うとこの店の存在は大きいです。2階から眺めると、体育館のような解放感。空間のとりあいの東京にはない世界ですね。


野菜サラダを頼んだら、ドーンと。これで一人前?野菜自慢の土地ですものね。チーズ類もおいしかったです。


シンポジウムの前にこの辺を知っていれば、意見発表のなかでずいぶんほめたのに・・・と反省です。でも、知っている地元の人はもっと評価していいでしょうね。

人口増加に向けて、交流おこしを、というのがいつも話題になりますが、即観光の話になります。でも、読みたい本を持って、那須塩原までカフェしにくる。家族で「ゆっくり」を体験しにくる。そんなカフェ時間も今や地域資源です。

お土産に買ってきたカフェのお菓子が、今、東京の自宅で少し自慢げにしています。"