ゆっくりの街に

お仕事で

神奈川県藤沢市鵠沼で「ゆっくり運動」をしている皆様のところに、さらに、スローライフの話をするため伺ってきました。

聞けば、商店街でも高齢者の方に、支払いなどあせらず「ゆっくりでいいですよ」と声掛けの運動をしているそうです。

それならば、街の「ゆっくりポイント」の紹介冊子などを作り、「ゆっくり」をテーマにした鵠沼の街にしましょう、とご提案してきました。
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湘南海岸、松並木が目立つ鵠沼は、かつては別荘地であり、多くの文化人も滞在したまち。今は住宅地になっていますが、その昔は桃畑もあり、農業も盛んだったそうです。砂地なので、今もサツマイモなどが作られているとか。

駅を降りると、名前からのステイタスある印象とは違い、かなり庶民的な商店街が伸びていました。

昔はにぎわった道なのでしょう。今は、朝と夜の通勤通学時間に人通りが多いということです。

早速、お豆腐屋さんを見つけました。街にお豆腐屋さんがあるところはスローなまちだ、と言われます。鮮度が重要で、なおかつ少額の商いがきちんと守られていることは、人がそういう生き方をしているからだ、とのことです。

覗くと「ただいま配達中」の文字が。人はいなくとも、なんだかほっこりと、会話した気になりました。

ここは猫の小物ばかりを売っているお店。中まで入ると楽しすぎて時間が過ぎてしまいそうなので、外から拝見。

お店の外にちゃんとベンチがある。これもゆっくり運動の成果でしょう。そういう目で見ると、あちこちにベンチらしき、座る場所があります。

いっそ、各お店で「必ず腰かけて休めます」と宣言してもいいですね。おそろいのベンチでなくとも、お店で余っているイスをとにかく外に出す。それだけで「ゆっくりの街」らしくなりますもの。

珍しい!表具屋さんがありました。現役です。作業する道具が並んでいます。こういう「手仕事や技が感じられる」と、ますますスローライフ度の高い街になる。もっと探せば、きっとあるはずでしょう。

対面で買える八百屋さん、お肉屋さん、魚屋さん。「あのお肉を4枚ちょうだい」というような買い物ができるそうです。最初からドンとパックで売られているスーパーとは違います。

買いながら、売りながら、いろいろな会話があるのでしょう。「小さな単位で買える」「買えば会話がついてくる」これは大事な要素ですね。

何年も続いている「ゆっくり運動」。とかく、スピードを落とすことや、暮らしの心構えの運動になりがちですが、この商店街との連携をもっと強めた方がいいのではないでしょうか?

せっかく「ゆっくりのお店」という宣言や、ベンチを置こう運動や、「ゆっくりでどうぞ」という声かけが進んでいるのなら、これをもっと進めましょう。

商店街と市民の皆さんで、一緒にワークショップなどを繰り返し、街の「ゆっくりポイント」を洗い出して、それをマップや冊子にしましょう。手書きで書けばゆっくりムードも高まります。そんなご提案をさせていただきました。

「何も用はないけれど、鵠沼の商店街でゆっくりしてこよう!」といわれるような街にしましょう。そんな街、商店街がある土地は、安心して住める、明るい街ということになります。

「マップや冊子なんてサッとできるよ」と誰かが一人で効率的にやらずに、どうぞ皆さんで、時間をかけて鵠沼の良さをたくさんの目で発見して磨きながら、その過程を楽しんでくださいね。