弱者の買い物

ちょっとしたこと

先日、スーパーのエスカレーターを降りたところで、杖をついたおじいさんがよろけ、そこへ次々と人が来て少々危ない状況でした。

同じ日、フライ売り場では、やはりお年寄りがほしいものをトングでとれず諦めていました。

弱い人たちが買い物しずらくなっているのを、ひしひしと感じます。

映画鑑賞券のネット予約にも一苦労、15分以内に入力終了、という時間制限にまいりました。

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みんないったいどうしているのだろうと考えてしまいます。先のエスカレーターの件は、売り出しの日だったのでいつもはこの写真のようにエスカレーターを上がったところに並ぶかごは2列なのが、3列になっていたためです。

かごが必要だろうからと3山に積んだために、エスカレーターを降りたところのスペースが狭くなっていました。杖をついていたおじいさんはいつも降りられるエスカレーターのところで、かごに引っかかったのでした。

杖が引っかかったので、慌てて持っているかごを足元に置いた。すると、あとから来た人がたつところがなくなります。そのあとから着た私には、さらにスペースがありません。

おじいさんはすぐに動き出せません。すぐ後ろでただ立っている女性に、かごを持って前に行ってあげてください!というと、ぽかんとしていた女性が「あああ」と動きました。これで、あとからの人が倒れずに済みました。

とっさのときにどう動くのか、女性もおじいさんも慣れていません。スーパーがかごを山盛にした心遣いは逆効果だったのです。

フライの売り場は、プラスチックの容器にトングでフライを入れて、輪ゴムで抑えるという方式。つまり、両手がないとできない仕組みです。したがって、かごは床に置くわけですが、高齢者はかごを床に置いても立っているのが大変なのです。

しかも、牛肉コロッケではなく、アジのフライがほしい。それは棚の上の奥の方、となるとトングを持って伸びをしなければならない。無理ならば、誰か代わりにとってくれる人を待つことになります。

スーパーの店員さんは特売の日なので大忙し、高齢者の世話などの余裕はありません。レジの女性など、きっとトイレに行く暇もないでしょう。

フライはもとより、キャベツ、大根、牛乳などの重いものをかごに入れてレジに並ぶのも拷問のようなつらさです。欲張ったバナナやリンゴが食い込む。

床にかごを置き、足で押しながらレジに向かうはしたなさ、でもこうしないと手がちぎれちゃうのです。

レジを終えて、ふと見ると、エスカレーターでよろけたおじいさんが困っている風です。買ったものをリュックに入れるのに杖を放したら危ないのでできないでいる。

私が入れてあげると、「リュックもしょわせて」と。今はスーパーが宅配もしてくれるのですが、おじいさんは自分で買って自分で運びたいのでしょう。

お客同士が助け合うのも私はいいかと思いますが、お店ももう少し人の余裕があるといいなあ。

続いて映画のチケット取りです。東京の有名映画館は、座席指定券は基本ネット予約、カード決済。それでないならば、映画館に直接来て予約して、という方式です。

カードを持たない人はどうするの?ネットを使わない人はどうするの?予約しに映画館に行くのなら、もう見ちゃいますよね。

とは言うものの、ネット予約にチャレンジ。これが面倒くさい!席の指定だけならともかく、カードのナンバー、カードの有効期限、などなどカードを引っ張り出してようやく入力を終えると、半角でないからやり直し、やり直すと、今度は15分の制限時間を超えたのでもう一度席の予約からやり直してください。なんと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!

ゆるせん!

と怒りたくなるわけです。もういいよ、と言いたくなる。高齢者やパソコン苦手の人は映画は観るなということでしょうか?高齢者割引はあっても、買いやすくしていない。

まあ、こんなことは序の口で、都市部での大変便利なところでの話。スーパーも映画館もないところで、もちろんお店もなくて、車の運転をしないとなると、もうこれは、暮らすな!と言われている状態です。

週に一度の軽トラックが運ぶ食料品が頼り、あとは近所の人にたやらざるおえません。ある限界集落では「野菜は何とか自分で作る。でも豆腐・パン・牛乳はお店に注文して買う。あとは嫁いだ娘が宅配便で送ってくれるもので食べていく」とおばあちゃんが語っていました。

いわゆる生協もありがたいのですが、カタログが情報過多で選べない。小さな文字の嵐に酔ってしまうほど。弱者向けの大きな活字の、シンプルなカタログがあるのかもしれませんが・・・。

がんばる高齢者はますます応援しなくてはならないのに、安易な消費者=若者合わせで、物事が進んでいる。弱者が買いたいのに買えない、これは何とかしないと暮らしが成り立たなくなります。

賢い企業はこの変にピントを合わせて動き出しているのでしょうが、まだまだ。高齢者予備軍が、こうして騒がないと、と思ってのブログ投稿なのでした。"