高岡はおもしろい!

ちょっとしたこと

サラリーマンの多い都会に住んでいて、いざ、他の基幹産業を持つ地方都市に行くと、まちの表情の違いに驚かされます。

富山県高岡市は“ものづくり”のまち、しかも、昔から金属を鋳型に流して形を作る、鋳造の盛んだったまちです。

少し内部に入り込むと、突然、商品の銅像群が屋外に並んでいたり、橋に鳳凰像が立っていたり。地元では当たり前のことに、びっくりしました。

高岡駅近くの商店街路地に、突然、ライオン像。なぜ?ここに?と思うのですが、ずっと前からなのでしょうか、ライオン像は鎖でつながれ、お店のペットのように佇みながらここが銅器・鋳造のまちであることを語ってくれます。

小さな橋に突然、鳳凰像。このあたりが高岡銅器発祥の地だとか。鳳凰は高岡の名前に関係するそうです。

400年前、前田利長がこの土地の名前を決めるとき、ある僧に相談しました。僧は、中国の漢詩文の一節から、「鳳凰鳴矣 于ニ彼高岡一 梧桐生矣 于ニ彼朝陽一」 (徳のある君主が現れる兆しに、鳳凰が高き岡に鳴いている)
と利長の徳を褒めたたえ、高岡とすることを進言したそうです。

だから高い岡にあるまちでもないのに、高岡の名があるわけです。

高岡銅器製造・販売の株式会社織田幸銅器を訪ねると、道路際に、イノシシと裸婦!これまた不思議な世界です。

もっと不思議はこの駐車場、裸婦や子供たち、たくましい男性などの銅像がずらり。この銅像群を見ながら車をバックで止める。この辺では当たり前なのでしょうが、おかしくて、おかしくて。笑ってしまうわけです。

玄関にも観音像?がド~ン。もちろん並んでいるのはここの商品。「盗まれませんか?」と伺うと、「重いのでそう簡単には・・」というお話。

持っていけるもんなら、持っていってみろ!というところでしょう。でも、ちゃんと銅像が持ち上がったら防犯会社に連絡が行くシステムになっているのだそうです。

神仏具製造の株式会社 山口久乗では、玄関に入ると「おりん」だらけ。そう、仏壇においてチ~ンと鳴らすあのおりんです。それも巨大なのが逆さまに何個も吊るされています。「大きな梨の実がなっているみたいですね」と、思わず感想を述べました。

このおりんは音がちゃんと調節されていて、なんと楽器として使われるのだそうです。JR高岡駅の発車ベルはこのおりん音楽、おりんの癒しの音色は、楽器やグッズに今、変身しているのでした。

ここの奥様が出してくださったお抹茶、いただくと「わ~、軽いお茶碗!」とびっくり。乾漆です。漆工芸も盛んな高岡です、こんな乾漆の茶碗がさりげなく当たり前に出てくる「なんとオシャレな土地」とうなりました。

東京が文化の中心なんてことはありません、こういう土地の当たり前の姿から、私たちはさまざまなびっくり、を体験し、学ばせていただきたいものです。

※今年の秋、10月13日(土)・14日(日)、私のNPOスローライフ・ジャパンは、高岡市民の皆さんと「スローライフ逸品フォーラムin高岡」を開催します。ご予定くださいね。"