ない・ない・ない
私は、20年位前から年賀状を出さなくなりました。なので、この場を借りてご挨拶。皆さま今年もよろしくお願いします。
さて、この無礼な私でも、年頭に当たり、いくつか考えることがありました。
実は大風邪を引いて寝込み、食べない、人に会わない、何もしない、お正月だったのです。でもなんだかそれが気持ちよくて、今年はその「3ない運動」を自分に課するつもりです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
年末、人前で話すことが続き、もともと喉は弱いのでこれは危ないと思っていたらやはりピタリと声が出なくなりました。
喉は弱いくせにおしゃべりと来ている、周囲も“野口はしゃべる”“野口はいつもニコニコ丈夫な女”と、キャラを決め込んでいるふしがあり、私もついその期待に応えるものですから、
出ない声をまたニコニコと力づくで出そうとしてさらにしゃべる。
かわいそうな私の喉ちゃんはストライキとなったのでした。いつもここからは同じようなコース、熱を出し、喉は腫れて痛く、水を飲むのも痛く、あらゆる薬を飲みまくるわけです。
しかし、今回は暮れ・お正月でもあるし、ひたすら休んで治そうと腹に決めました。ちょうど夫は旅に出かけ、家には私とハムスターだけ。
そう決めたら、今度は、おなかもやられ、何を食べても下痢をして、何も食べたくない日々。おせちはお粥だったわけです。
多少食欲が出てからは、それでもご飯に山形の「だし」(キュウリ・ナス・シソなどを細かく刻んで昆布と混ぜてあるもの)
をかけて食べるのがせいぜい。修行僧のような世界でした。
声が出ないので人に会わず、食べず、もちろんお酒も飲まず、ただ眠る。テレビなどぼんやり見ている。本など開く。そしてまた眠る。また眠る。仕事などする気にもなれない。パソコンを見ると酔ってしまう。だからまた眠る。なんともこれが気持ちよかった~~~。
あとから「なんで病院に行かなかった!」とか、いろいろお叱りも受けましたが、多少痩せてちょうどよい体重なので、めでたしめでたし。断食道場に行ってすっきりしてきたような感じです。
食べない、人に会わない、何もしない。この“ない・ない・ない”の気持ちのいいこと。それを発見したいいお正月となったわけです。
そのうち夫も戻り、私もだんだん食欲が出て、めでたく5日には友達と「きりたんぽ鍋」など囲めるようになりました。
もう若くはないので、上手にだましだましこの野口智子を使いこなさなくてはなりません。
で、考えたことです。
①食べたら、食べない。
もともと食いしん坊で、しかも「“食”でまちおこし」なんてやっていると、食べるもの、食べることが多くなります。食べなくちゃならないこともあります。なので、たくさん食べたら、しばらくは少食粗食。ならせば、少量のおいしいものということになります。すでに我が家は粗食系ですが、今年はますますそうしましょう。
②人に会ったら、人に会わない。
人に会うことが仕事ですから、やたら濃く人と会います。そうするとその人たちの悩みや喜びが、何層にもなってミルフィーユのように私にたまります。何とかいい方法はないかなあなどと、地域や人の諸問題を一緒に考えているうちに、器が小さいのでアップアップしてきます。だからこれもまた人に満腹したら、人絶食の日も作る、にしましょう。
③頭を使ったら、頭を使わない。
これはほかの人には私が言っていること、自分がやらねばですね。パソコンに向かったり、小難しく講釈を言ったり、理屈をこねたり。そんな頭を使う時間を過ごしたら、身体時間を作りましょう。頭が真っ白になる、汗をかくだけの身体時間。これは大切です。私の場合は合気道。稽古が週1日になりがち、これを今年はだんだん2日にもっていきましょうか・・・。
ここまで書いたら、夫いわく「またあんまりオーバーに宣言しても大変になるだけだから、そのくらいにして寝れば?」
この方は、大変よく眠る方です。眠る天才!ここは忠告に従い、もう何もしないで寝るとしましょう。
“