逸村逸品運動
富山県高岡市で「逸村逸品交流会議」がありました。その昔は「一村一品」と言いましたが、今は物だけでなく、いい町がいい物をうみ出す、いい物があるのはいい町「逸村逸品」でしょう。
昨年の我々NPOスローライフ・ジャパンの高岡フォーラムでこの言葉が生まれました。その延長上で今回の会議がありました。そして奈良県川上村では「逸村逸品展」も。運動が育ちつつあります。
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10月12日に開催した「逸村逸品交流会議」で、特に今回こだわったのは「食べ物」でのまちおこしです。
先ずは、先進事例として米粉の発祥地である新潟県胎内市の「㈱小国製麺」の齋藤公美さんが、胎内市での米粉のまちづくりの報告を、そして自社の米粉使用生パスタ「エチゴッティ」を紹介をしました。
「㈱ぶなの森」の高峰博保さん。この方は、ご自身が作り手ではなく、プロデュースする側。例えば能登の「いしり」(いしる)を地元にもっと普及し、世界にも日本のブランドとしてどのように売り出すかなどを考える方です。
「いしり」の事例を中心に、合わせて「能登人」に会いに来る
ツーリズムなどのお話がありました。
後半は、地元高岡で「ととまる」という名で、魚のすり身をお好み焼き風に焼いて食べるメニューを広めている「飲食店経営サポートとやま」の鎌田隆一さん。※写真がととまる
お隣の氷見市で地場産の煮干でだしをとり、氷見牛と氷見の野菜を使ったカレーを飲食店で出し、レトルトも売り出した「氷見カレー学会」の谷内吉成さん。※写真は氷見カレーのチラシ
名産の庄川柚子を使い「ゆず姫」という名の笹寿司を開発した「庄川町商工会女性部」の伏木喜代美さん。それぞれが活動や悩みを報告しました。※写真がゆず姫の笹寿司とお稲荷さん。
私はコーディネートをやらせていただきましたが、実に参考になり、おもしろかった!が感想です。少し前は“食”の開発となると、話題をさらうだけの際物が多かったのに、きちんと皆さん地元の産物や食文化にこだわって企画開発しておいでです。
また、その食品で土地の食文化がさらに深まったり、新たに創造されたりしていることも分かりました。
その背景や根っこには、「何かやろう、このままじゃダメだ」(谷内さん)という想いや、「生のすり身を使っている珍しい土地なのだから」(鎌谷さん)という地域資源の発見などがあります。
「“ゆず姫”を作っているグループ7名、全員が食品衛生の資格を取りました」(伏木さん)といった腹の座りかたや、「日本の農業、地元の農家を応援したい」(齋藤さん)というグローバルな視点も目立ちました。
共通の悩みは販路の拡大・後継者の育成・情報発信・資金難などです。
でも、「自分達だけでなく、他の業種や学生さん、若いお母さんなどいろいろな人と連携することで解決が」「基本になる知識をしっかり捕まえること、知の集積を」「イベントはフェイスブックなどと連動させてその日だけのことにしないように工夫を」(高峰さん)
「作り手の思い込みでがいい物と思っても、食べにくかったら失敗。先ずはお客様に召し上がっていただけるように」(齋藤さん)
などの意見にうなずく方が多く、その後の会場質問は20分では時間が足りないほどの具体的な意見・感想が続きました。
私は、この会議の会場自体が実は「逸村」なのではと思いました。様々な職種や地域の人が、想いを一つに集まっている。
そして、何とか町や品物をよくしていこうと、知恵を出し合っている、そんな熱気に満ちていることが、良い町の要件なのではと思います。
そして、そんな魅力的な人たちが、繋がりあって支えあって創りあげた品物は必ずいい物になるはずです。
この日の会議がはこうして終わりましたが、今、私のNPOの事務所では、11月24日に開催する「スローライフ・フォーラムin水源地のむら川上」の「逸村逸品展」 にむけて、ダンボールだらけの状態です。全国から様々な品物が集まって来ているのです。
今回の話し合いで出たような、志や悩みや喜びなど、いろいろな想いが詰まった、その土地の顔になるような品々が100アイテム揃いつつあります。
皆さんに呼びかけて、ただの即売会ではない「スローライフ時代の地域の顔になる逸品の展示」なのだと、開催趣旨をご説明するのには時間がかかりますが。
それでも「そういう場に、ぜひ出品して自分達の活動や品物を知って欲しい」という方々、企業、団体に出会え、事務局の当方もうれしい限りです。
高岡の方々もぜひ、奈良県川上村においでくださいね。そして「逸村逸品運動」をみんなで広めていきましょう。
NPOスローライフ・ジャパンのフェイスブックページ「逸村逸品」もご覧ください。↓
https://www.facebook.com/slowlifej?bookmark_t=page"