飛んでみました!

ゆとりある記

「いつか空を飛んでみたい」とは思っていましたが、このたびパラグライダーに乗せていただきました。気持ちい~~~~い、の一言です。

スポーツというより禊(みそぎ)を受けた感じ。身体にたまった不健康なものや、心にたまったドロドロしたことが一気になくなります。

ちっぽけなことは気にしないで、大きく生きよう、と思わせてくれるひとときでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

乗せていただいたのは、和歌山県紀の川市。“バナナとパイナップル以外は何でも採れる”といわれるフルーツ王国です。その話はまたゆっくり書くとして、とにかく興奮冷めやらないパラグライダー体験のお話から。

「ユーピーパラグライダースクール」というのがあって、ここで初心者に向けて体験をさせてくれるのでした。

もちろん仕事でうかがったのですが、視察の内容に「ご希望でしたら、パラグライダー体験も」という項目がありました。迷わず「やります!」とお返事したのです。

とはいえ、実際に飛び立つ300メートルの山に上がると、景色はすばらしいのですが少々臆病になってきます。

ヘルメットをつけて、乗るイスも背負い、黒いベルトをガチャン!オレンジ色のシャツを着ていた私は、一見、ミツバチマーヤのようないでたちになり、インストラクターの方と結合したのでした。

つまりは、自分で飛ぶわけではなく、先生と繋がっているので勝手に私の身体は飛んでいくわけです。

「こうして上空で写真を撮りますから、笑顔でね」と素敵な先生が棒の先のカメラで写真を撮るリハーサル。私、思わず笑顔はしていますが、このとき結構どきどきでした。

さあ、風を待ちます。私は、もはや腹を決めてお祈りするしかありません。怖いというより「とにかく走りぬいてください。崖のふちまで行ったからと立ち止まらないこと」という注意をまもり走り抜けるかどうか。

自分に「走る、走る」と言い聞かせます。さっきまで「イケメン先生に抱かれて空の上、なんてうれしいの~~」と騒いでいでいた野口さんはどこかに行ってしまい、目が点になっていまいました。

「に、逃げ出すなら今なんだけど・・・」とおもっているうちに。「はい、走って」トトトトト~~~~~で、あら、空中~~~~。私が重いせいか、多少足先で藪をなでましたが、身体がグンと上がっていきます。

とんだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
こうなったら、何にもこわくない。気持ちいいーーーーーー。

私の下に何もない、私の周りに何もない。先生がこの身を守ってくれている。そう思ったら、空中に浮かんだら、さっきの不安はどこかに行ってしまいました。風が、身体の中までお掃除してくれるようです。私も風になっている!

足の下に見えていた紀の川の流れが、だんだん近づいてきます。「ええ?もうおしまい?ずっと飛んでいたいのに」と空中でぐずってもダメ。離陸のトトトトの逆で、着陸のトトトトで私は再び陸の人になりました。

飛んでいたのは正味5~6分か、10分弱かと思いますが、久々の開放感です。心まで、紀の川でシャブシャブと洗われたようです。

都会に住むパソコンばかり見ている人たち、どうでしょう?毎月、とまではいいませんが、せめて年に一度はパラグライダーの禊を受けては?紀の川市の絶景は伸びやかで、風はやさしくフルーティーです。

桃の花の時期はピンク色の畑の上を飛ぶことになるとか。女性も男性も、75歳のおじ様も、飛んでいる人の表情がさわやかなのは禊の回数が多いからなのでしょう。

ストレスを吹き飛ばしに紀の川に通う、空中禊ツーリズム。こういうことがセッセと始まれば、世の中がもっと良くなるように思います。

お土産に買ってきた1パック150円のイチジクが、美味しかったこと。

※写真は、同行のお仕事仲間の方々が撮ってくださいました。ありがとうございました。