ぶらり桐生

ゆとりある記

かつて何かの産業が栄えていたというまちは、寂しさは漂いますが味わいがあるものです。

群馬県桐生市、昔、織物産業が栄えていたまち。延々続くシャッター通り、でも鋸屋根の工場建物や、女工さんが通った銭湯がまだ健在。一部は素敵なカフェやギャラリーになっています。

古い思い出だけなのではなく、生き残ろうとしている、そんな桐生に好感を持ちました。
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仕事でどこかに行くときは、あらかじめ少しは下調べをします。でも“ぶらり”のときは、ポンと出かけてしまいます。その方が、初めて会った人のように、いろいろなことに気付くし印象がはっきり残る。

やたらガイドブックをみたり、説明を受けない方がいい時もあるわけです。今回もカメラとお弁当だけで出かけました。

おかげで新桐生駅と桐生の昔の建物が残るエリアとの間、4~5キロ?を歩くことになるのですが、それが良かったわけです。

まあ、今回は文字でつべこべ言わずに、私の素敵?!な写真で桐生を感じてくださいね。

これは渡良瀬川の橋の上。この日は天気が良くって、雲がきれいで。でも風が強くて吹き飛ばされそう。群馬の空っ風というのの本物を体験できて満足です。

シャッター通りに、ところどころ開いているお店はある。

お店はあるけど、売れている気配があまりない。

時計みたいのはある。でも動いているのか?オブジェなのか?

これが鋸屋根というもの。面白い、おしゃれ。

街に蔵の多いこと。ほっとかれているのと、使われているのと。

今年、初めてロウバイの香りをかぎました。

まとまって蔵のあるところは、お土産物屋さんや食事処、休憩所やギャラリーになってる。レンガ造りの大きなスペースがあるということは、いいですよね。インフォメーションでとても親切にバスの乗り方を教えてくださいました。

ここも工場跡。今はベーカリーカフェ。パンの耳の揚げたのがもらえたりします。家族連れが焼きたてパンでランチをしてます。奥の方では、機織り教室も。

そうそうこの日、開催していたきっとまだまだやっている、ここでの写真展が良かったです。桐生出身の斎藤利江さんという写真家の昭和30年代の桐生の写真。モノクロの写真に子供たちの笑顔が一杯、みんなが貧乏だけど元気だった時代なのでしょう。

おお?このおうち、蔵を改造して住んでるんだ~~。

床屋さんを覗いたら、「なあに?古いでしょ。ずっと変わらないのよ」とお姉さん。バリカンが並んでました。

きゃあ~銭湯だ。ここのおじさん曰く「ちょこっと、100年ほどやってるよ」とのこと。昔は女工さんたちが入りに来たのだそうです。

女湯には鯉の泳いでいる絵、小さな湯船ですが早速入って温まりました。風で身体がかじかんでいたので、お湯が何よりうれしかった。

「ここはゆるキャラの『ぐんまちゃん』がきてくれたんだよ」と、おじさんは女湯で写真の載った本を見せてくれます。

「お姉さんどこから、東京から?!新桐生駅まで帰るの?へえ~、湯冷めするから俺、送っていこうか?」

ハードがさびれた街ですが、人とソフトは息づいている。また来ようと思った桐生でした。"