安近GW

ゆとりある記


六本木に現れた「赤いキリン」、下町“谷根千”の大混雑、「くりはま花の国」の花畑、三浦半島三崎港のマグロ、麻布十番での「埼玉・小鹿野町子供歌舞伎」。

いずれもこのゴールデンウィークで私が行ったり、見たりしたものです。近場でお金を使わずに、これだけバラエティーに富んだお楽しみが体験できて、思い出がつくれれば、遠くに行かなくとも結構。と、納得した中年夫婦の黄金週間でした。

東京に住み始めて10年足らず、まだまだこの地を使いこなしてはいないと思ってきましたが、今年のGWは、割合ここの地の利を活かして過ごせたと思います。

最初は六本木ヒルズで行われた、フランスのパフォーマーによる赤いキリンの登場。全国ニュースで何度も採り上げられたのでご存知の方も多いのでは。

金属と布でとてもよくできた赤いキリンの中に女性が2人入り、首と前足、後ろ足と見事に操ります。ヒルズの緑を食べるしぐさや、突然の“おしっこ”に皆、拍手、拍手。

ヒルズに行くと、このキリンがうろうろしているので、みんなびっくりしながらも立ち去りません。

最終日は「けやき坂」にキリン9頭が繰り出し、オペレッタも。高層ビルの都会の風景とキリンの長い首が、おもしろい空間を創っていました。

谷中・根津・千駄木の東京下町エリアがここ数年人気ですが、それにしてもすごい人でした。

根津神社のツツジはあまりの人であきらめ、近くのフリーマーケットをのぞきました。ここで、300円のセーターと新品の500円の靴、500円の草履をゲット。

路地の手作りパン屋さんではウサチャンクリームパンを。鯛焼きやや最中アイスは行列であきらめ、メンチカツも若いお嬢さんがぱくつくのを横目で見てあきらめ。

有名な「夕焼けだんだん」で、人を眺めて帰ってきたのでした。下町という雰囲気がこれほど人を呼ぶものなのか?外国人の方々や若い人も多く、驚きです。

地元のおばあちゃん達も「とにかく何だかここ最近人がすごい」とため息をついていました。

少し電車に乗って出かけたのが横須賀市「くりはま花の国」。23000㎡という広さが様々なお花で埋まります。周りの緑も豊かで、久々に深呼吸。

元軍需工場があったとか、米軍倉庫があったとか、今も隣に火力発電所があったりもしますがやはり花は癒してくれます。

何よりも歩きました。作って行ったおむすびのおいしかったこと。入園無料、近くなら毎週行くでしょうに・・。

今はポピーの季節、秋はコスモスが咲くそうです。お土産に「明日葉」の苗を買ってきました。伸びたら天ぷらにしましょう。

続けて訪れたのは三崎港、ここはマグロ一色です。観光客を客引きするお店も多いですがうちは地元のオバちゃんにお店を取材。地元の人が行く寿司屋さんで、赤身をいただきました。安上がりでおいしかったです。

三崎の路地には港町らしい風情があります。なんとなくレトロな時間が流れます。

観光客のいない神社や、海の暮らしがにじみ出る路地を歩き続けると飽きません。あんまり人がいない時期にまた来ましょうか、そんな気にさせてくれる港町でした。

そして、こどもの日はわが麻布十番で子供歌舞伎でした。埼玉県小鹿野町というところはまちをあげて村歌舞伎を伝承し盛り上げているところとか。

麻布十番とかなり昔から交流があったようですが、こうして舞台まで作って子供達が演じるのは数年ぶりなのだそうです。

商店街の真ん中の公園に少し早くから席をとり、三番叟や口上、「菅原伝授手習鑑吉田社頭車引之場」をたっぷりとみせていただきました。もちろん無料、すみません。

子供達の演技もせりふも本格的で、日頃の稽古のレベルがわかります。

麻布に住む外国人家族も相当見物しています。同じ子供が演じる歌舞伎が、外国の子には珍しいのでしょう。

こういう地域の文化交流が、商店街主催で行われることに感心しました。変な歌手など呼んで、大きな音を立てるよりずっとおしゃれで知的です。

夫と2人「小鹿野町に今度行ってみようか」といいながら町のパンフレットをいただいて帰ってきました。

東京には、外国から地方から、何かがやってきます。また、新しいものも古いものも同居しています。そして、少し電車に乗れば、自然豊かなところへにも。

安上がりに夫婦で過ごす典型のようなGW、お金は出ずに思い出がたくさんたまりました。