きもの稽古
私がきものを着るので、「着付けを教えて」とよく言われます。好きで着ているだけで、教える資格などありません。でも常々、きものを着るのに、学校も資格もいらないだろう!と思ってもいたので、有志で稽古を始めました。
近所のおばちゃんから教わるって感じです。それにしても、アメリカ文化に占領された日本は、つくづくきもの文化は遠くなりにけり、なのであります。
昔、おばあちゃんは、朝起きたら当たり前にきものを着ていました。着付け教室に行かなくても、普通に顔を洗ったり、味噌汁を作るのと同じく、きものをスルッと着ていました。きもので洗濯もしたし、畑もやってました。
そんな風に着たくて、私の場合は人に聞きながら、本などを参考に着始めました。つまり適当に着付けて今に至ります、20年くらいになりますか。
洋服文化で暮らしてきたのですから、いきなり着ようと思っても無理でした。さんざんすったもんだを繰り返して、今も同じく失敗を続けてはいます。
だから「着たいけど着れない」「難しいからあきらめる」という人の気持ちはよくわかります。それに、洋服だと何でもアリなのに、何で和服だと「○○でなくてはダメ」なのだろう?と思うことがきものの世界にはあります。
納得いく“ダメ”ならいいのですが、納得いかない“ダメ”も多くって・・・。そのハードルが高くて、着ない人が多いのなら、それは着物が不幸です。
「○○だっていいじゃない」という着方をしたい、先ずはきものを着ることが先決。より楽チンに手抜きで着てもいいじゃない、と思うだけなのです。
とはいえ、私はくずしたり、大正ロマンなんていうのは嫌い。着方は実にオーソドックス。はんなりでも、お茶席風でもありません、実用一本やり。それでよければ、と、先日お稽古の決行となりました。
お稽古にむけて、1万円予算で中古のきものと帯を購入という、やる気満々の生徒?さんお2人。ほんとの初心者ですから、教えがいがありました!!!
たっぷり3時間でたたみ方から着方まで、ざっくりとご教授。最後には2人とも自分で着て、記念写真。ふ~、なぜかこっちが汗びっしょり。とても楽しかったのですが、教えるというのはこれまた難しい。だんだん、教え方を覚えなくてはと痛感です。
このくらいの段取りで進めようなんて思っていても、やってみると「そうか、そんなことも知らないんだ」ということばかり、スルスルとは進みません。
「私もそうだったな~」と思い出しながら、着付けの手順以前に、きものを着るその周辺のこと、基本情報や、ちょっとした工夫、失敗談などを伝える必要があると強く思ったわけです。
もっとも印象に残った質問は、「きもの着ているとき、トイレはどうするんですか?」う~~~~ん、確かにそんなことを最初は考えちゃうんですね。
小さな??が積み重なって、「きもの」イコール「わからん→めんどう→こわい→やめた」になってしまうのでしょう。
それなら、きのも好きの野口のおばちゃんが、これからセッセと教えてあげましょう!宣言です。"