マーマレードとラッキョウと

ちょっとしたこと

毎年5月には、我がNPOスローライフ・ジャパンの川島さんが、伊豆の河津のおうちから無農薬の甘夏を送ってくださいます。これで作るマーマレードは我が家の朝食に欠かせません。ヨーグルトにこらしょと入れていただきます。

一方、今はラッキョウ漬け。家中に臭わせて根を切っています。やらなきゃいけない仕事を放り出して、こういうことをするのが私は好きです。

甘夏が届いたのはゴールデンウィーク、ダンボールに何箱もミカンの花も入ったスペシャル梱包。「買ったら高いよ~、宅配便代も高いよ~」なんていいながら、先ずは新鮮な味をがぶがぶ味わいます。

海草のホンダワラを肥料に入れるそうで、もちろん無農薬。多少人相の悪いのもありますが、とにかく味が濃い、おいしい!

分厚い外側をむき、中の袋から果肉を出す、何個も何個も。この気の遠くなる単純作業が、昔から私は苦になりません。

夫は呆れるのですが、黙々と剥き続けて終わったときの達成感がたまりません。もちろん、剥いている間に、私も夫もかなり手を出して食べてしまうのですが。

で、次なる達成感は、皮を薄くスライスです。剥いた大きいままの皮を茹でこぼし、柔らかくしてから薄切りに。これまた黙々作業。コツコツコツという包丁の音だけがして、やがて黄色い皮の薄切り山が。水にさらしてアクを抜き、今度は煮ます。

コトコト、気長に。先に剥いてあった果肉も加えて、フツフツ。家中が夏みかんの香り、布団も、服も、私の耳の穴の中までも。大鍋に山になっていた皮と身がだんだん煮えて鍋におさまってきたら砂糖と氷砂糖を入れて、さらにグツグツ。

今年も、おかげさまでマーマレードが何袋もできました。作り続けているカスピ海ヨーグルトにポトンと入れてパクリ、夏ごろまで楽しめるでしょう。

一方、昨日からはラッキョウです。「買えばいいじゃん」という声も聞こえますが、やはり季節になると漬けずにはいられない。さらに「洗い済みのはイヤ、塩漬け売りのはイヤ、国産のじゃなきゃイヤ」と、より手間隙かかる方に自分を追い込む癖があるみたい。

いいラッキョウがあった、買った、ラッキョウに待ったなし、作業は来週には回せない、芽が出ちゃう芽が出ちゃう。そんなわけで、結局、深夜、一心不乱に泥ラッキョウのヒゲ切りなどを一人でする羽目になります。

ナイフでシュッシュとシャリシャリのラッキョウの上下を切り、整えます。一つずつ、一つずつ。何で今、今日、こんなことを暮らしの中に持ち込むのだろう?!睡眠時間は減っていく、減っていく・・・。

我が家は深夜、生ラッキョウの強烈な臭いが満ち、喉にいいのか悪いのか。とりあえず窓を開け放ちます。しまった!と気づいたらもう遅い、さげていた着物に移り香。

この前のマーマレードにラッキョウがかぶりました。この着物を明日着なくては・・。

でも、パソコンや仕事の綱渡りにはない、コツコツ・コトコト・フツフツ・黙々・一つずつ・という時間、いいもんです。