見せてくれる店
といっても、商品を売らんかな、ではありません。鉢植えで育ててきた花が、いよいよ咲かんとしているので道行く人に見せたくて飾ってくれる。
または、商品をまるでアートのように鑑賞させてくれる。店名もオシャレに見せてくれる。といったことです。
こういう店が多いところは、人もゆっくり歩きます。ただ物を売るだけの店が並んでも、人は歩かないということですね。
写真は古いお茶屋さんです。植木鉢が4つ。どれも一年中ここにあるのではないのでしょう。いつもは、店の奥、住まいの方にあるのだけれど、花が咲き出したので表に持ってきた。そんな、主人の動きが読み取れます。
通りかかった他所の人は、「あら、きれい」。地元の人なら「あら、今年もよく咲いたねえ」。そんな声が上がるでしょう。
けして、立派な植木でもなく、鉢でもなく、でも「見せたい」と育てている、そんな花鉢です。店の外にはお茶を焙じる香りが漂い、印象深い佇まいです。
咲きそろったフラワーポットを商店街予算でずらっと植えて、まだ咲いているのに、引っこ抜いて、次の花を契約業者が植えていく、そんな花とは血筋が違います。
一方、この写真は豆腐料理の店。メニューが立ててある、その下にウツギでしょうか?白い花の鉢。これもたびたび変わるのでしょう。
お菓子屋さんの看板?というより、店名。う~ん、見せてくれますよね。
帽子と靴の店。「20%OFF」なんてポップがあるより、ずっと人を引き付けますよね。帽子も靴もアートしてる。
こういう店がたくさんあれば、いつも、何度も、うろうろしてしまいますね。買う用がなくたって、見せてくれるものを、見に行ってみようじゃないか、と思います。そういう小道は人通りが多い、しかも、歩く人も品よく歩いてくれるというもの。
まあ、この亀たちも見せてはくれますが・・。
どこかって?奈良町ですよ。そりゃね、やっぱりね。でも今以上に変な店が増えないようにしないと・・。ぎりぎりってところかなあ。
“