メルマガ作り隊

ちょっとしたこと

私のNPO、スローライフ・ジャパン、それが抱えるスローライフ学会では、会員とお知り合いにむけてメールマガジン「スローライフ瓦版」を毎週火曜日に発行しています。このブログも瓦版から開いて読んでくださっていらっしゃる方も多いかと思います。

11年前、筑紫哲也さん(故)やわが理事長がスローライフ運動を始めてから、とにかく媒体がほしかった。とはいえ財力はなく、印刷物は無理。少し前からようやくこのメルマガ発行となりました。

事務局役の私的には、自分の仕事を抱え、その上NPOをやっているのに、さらに「メルマガ~~??」とため息。でも、媒体はそりゃあほしいし、としぶしぶ動きはじめたわけでした。

デスクをしている川島正英理事長はもともと新聞記者、朝日の論説委員を経て地域活性化研究所をつくり、その後NP0も、現在に至ります。だから、「発行」とか「瓦版」なんて
言葉には、もう、ワクワクしちゃう。

瓦版スタートのときは「日刊にしようか!」なんて勢いでした。こちらは超現実派ですから「月間で十分じゃないですか~?」とぼやきぎみ。結局、週間に落ち着いたわけです。

写真は私の右隣に座る川島さん。

川島さん時代の新聞は活版で文字を組んで輪転機、インクの匂いのする新聞を新聞少年が肩から提げて配達していた時代。

「入社の頃は取材先ではまず、電話のある家を探し、他社に使われないように電話をキープしておいて、原稿を電話で送った」とか「何度か輪転機を止めた」とかそんな武勇伝を聞いています。

私は、川島さんとは20年の年齢差があります。が、10代の終わり、初めて市民運動にかかわり事務局として作っていたのはガリ版刷りでした。謄写版と鉄筆・修正液はいつも身近にありました。

要は、何か思いを伝える媒体を作るというのは、ついこの前まで大変だったのです。

その後、ワープロが出て、あれよあれよのうちにパソコンへ。もう和文タイプに出したり、写植屋さんに走ることもなくなりました。いわゆる市民運動的な動きを、IT化はずいぶんと後押ししてくれています。

だからパソコンがあれば、皆さんのメールアドレスがあればマガジンを出せる!とチャレンジになったのでした。

簡単になった時代とはいえ、しかし、誰が「瓦版」をやるの?私も川島さんも正真正銘のパソコン弱者。そこに篠原伊佐武さんという有力助っ人が現れました。

写真は私の左隣に座る篠原さん。

川島さんの昔の仕事仲間、広告代理店から地域おこしの世界に入った方。今は独立して広告の仕事をしながら、このメルマガをきっかけにわがNPOを手伝ってくれています。

まあ、篠原さんがいなければうちのメルマガは出せなかったでしょう。メルマガ送信だって、BCCで;区切りで全員に?なんて私は考えていたのですから。

「瓦版」は基本金曜が締め切りです。この日には、あらかじめ川島さんが頼んでいた筆者から原稿が届きます。どなたかが言っていました、「日本を代表する頭脳のような方が、オリジナルで書き下ろしで書いてくれるなんて、すごいメルマガですね」

確かに、すごいことでして、ありがたいばかりなのですが。さらに、締め切りを過ぎると催促などもしてしまい、川島デスクは原稿を集めるわけです。

で、最近は、月曜に編集作業です。(本当は金曜なのですが)先ずは、篠原さんが月曜の昼にヒラヒラ~ッとやってきます。そしておにぎり2個で腹ごしらえ、その後いよいよ本格作業。

70歳代最後半の手習いで、いつの間にやらパソコンを覚えて
しまった川島デスクが、それまでに集まった原稿を整理。篠原さんがレイアウト。私はPR原稿を作ったり、購読者アドレスの整理など。

読み合わせやら、なにやら。若い篠原さんでも50歳代前半、3人とも若くはありませんから、目をショボショボさせながらの作業。

みんなが目薬をさす頃、夕方にはできて、ここでたいてい川島さんが買ってくれたジャンボ・シュークリームなどを食べます。

そして翌日、火曜日、篠原さんが3500人に送信してくれて発行となります。

みんな綱渡りの毎日、自分の仕事にしわ寄せながら、ボランティアで何でこんなことをやっているのか、と、時々は思います。

でも、私たちは、いつも「ね、ね、スローライフで行こうね」といい続けていないと、気を抜くと、どんどんファストライフになるから、そのメッセージを週一回送りたい、ということだと思うのです。

だって、結局、ファストライフの方が楽だもの・・・。だから、いろんな人が踏ん張って、スローライフを考え、そんなまちづくりをしているんだ、ってことを伝えたい。緩やかな『渇』を入れる役割のように思うのです。

フェイスブックのように充実機能はありません。SNSでもありません。「いいね」もできないし、コメントも書けない。しかも他のメルマガのような豪華なプレゼントもなし。地味真面目メルマガの代表のような媒体です。

でも、メッセージだけは本物と思っております。「スローライフ瓦版を、いつもプリントしてバックに入れて読むんですよ」「今回のコラムには、うなりました!」こんな声に支えられて・・。

そんなメルマガ「スローライフ瓦版」ですが今後もお付き合いください。また、購読希望の方はリクエストください。
と、100号記念のブログでした。

NPOスローライフ・ジャパンは大テーブルに自分のパソコンを置いて作業してます。そんな様子を筑紫さんの写真が、いつも笑ってみています。

写真は100号編集の日。