伊勢エビを干物に

お仕事で

そんなのあるの?と驚かれるかもしれませんが、できるのです。鳥羽市菅島、強い風で知られるところ。海草、魚、野菜、何でも干している島。

ならば、と伊勢エビを干してみました。半分に開いて青い網の中で一夜干しに、サッと炙っていただきます。

「旨み」とは、こういうものをいうでしょう。4分の1匹で、熱燗3合飲める存在感。地域観光の体験メニューとして、この3月にデビューです。

風の島で、何でも干すのなら、究極の干物を作ってみよう。民宿や旅館の有志が集まって、突拍子もないことをいいだすアドバイザー(私)と伊勢エビの干物づくりをやったのは数ヶ月前のことです。

伊勢エビの獲れる地元でも食べたことがないというのは、やはり伊勢エビが高級品だからでしょうか。でも、伊勢エビのお刺身や鬼ガラ焼き、味噌汁などは、なんだかんだいただく機会がありました。でも、干物はない。

干物になんかしたらモッタイナイ、バチがあたる、なんて声が聞こえそうですが、干物というのは余った魚をしょうがなく保存のために作るものではなく、よりおいしくいただくために積極的に取り組む加工だと、私は思うのです。

風の島と名乗り、強い風をマイナスではなくプラスに考えるなら、風を活かした干物文化を究めるべきだ。干すことで旨みを引き出す、風の、島食文化を追求しよう!というのが私の意見です。

その象徴となるのが伊勢エビの干物なのではと、作ってみたのです。とはいっても、オーダーして干しておいてもらって、それを皆で食べたのですが・・・。

さすがですね、強い潮風は最高の料理人、見事な旨みを作り出してくれました。「こんなもん、誰も考えないわ」「初めてだ、やっぱり旨いな」と皆が感動です。

伊勢エビ+風=旨み、これをよその人にも体験してもらおう。果たして、それを試しに来る人がいるのかどうか?なのですが、前に一歩進むのが大切。

やって見ると、次に繋がるなにかが見えるはず。下を向いて、駄目だ駄目だ、といっているよりずっといいでしょ。

なんてわけで、この菅島と同じように何度も地元の皆がミーティングし、実験をし、プランを作った、鳥羽市の“食”をテーマにした体験地域観光企画、名付けて『ぐるとば』、全23アイテムがスタートです。↓

http://www.city.toba.mie.jp/kanko/gurutoba/top.html

期間は3月16日から25日。私も自分が担当した、「相差・畔蛸エリア」「答志島・菅島・神島・坂手島エリア」に出かけますよ~~~。

今までの鳥羽の観光とは、今までの“食”との出会いとは、一味違う10日間。この試みで、また地元の人がぐっと自信をつけてくれるはずです。皆さん、鳥羽にぜひお運びを。

伊勢エビの干物は、地元の人もこんな顔に↓なります。