おばちゃん記者会見

お仕事で

「おばちゃんストリート」を目指す瀬戸市末広町商店街で「おばちゃん新逸品」誕生の記者会見がありました。商店街のおばちゃんたちが、お客さまのおばちゃんたちへ向けて開発した品物やサービスをマスコミ発表です。

行政のお膳立てにただ乗っただけ、なんていう会見ではありません。手作りのプレスリリースを配り、自らの活動を、自らの言葉で・・。だから説明はたどたどしいのですが、本物の気持ちが伝わってきます。中座する記者もいません。いい会見になりました。

その「おばちゃん新逸品」を紹介しましょう。
<品物としてはこの4点>
①「おばチャンポン」ちゃんこ鍋のように具たくさんで野菜たっぷり、おばちゃん好みのヘルシーおそば。
②「おばチャーハン」ごはんも焼きそばもお肉も魚介も食べたい欲張りおばちゃん向けのソバメシ。

③「おふくろサンド」厚切りパンに切り込みを入れ、袋にして具をはさみました。おやつに食べたい一つ100円。
④「おばちゃん腕まくり」商店街3ヶ所の店で作っている手作り腕カバー、それぞれ特色があります。これを“がんばるぞ”というおばちゃんの意気込みを現す“腕まくり”という名で再デビュー。最近は男性にも人気です。

<サービスは3点>
①「おばちゃんミニカルチャースクール」店先で写経を体験したり、絵手紙にチャレンジしたり。
②「おばちゃん5つのお世話」世話好きのおばちゃんが、お客さまのために心がけていること5つ。‘いっぷくベンチ’‘老眼鏡貸します’‘貸し傘あります’‘手荷物預かります’‘お花を飾ってます’表記ポップを店頭に貼って自分の店で可能なお世話のイラストに○印をする仕組みです。
③「なつかしのおばちゃん写真館」1月19日~3月6日まで。おばちゃん秘蔵の昔の写真を店頭に展示。思い出話に花を咲かせましょう。

どれも「たいしたことない」といわれればそうなのですが、おばちゃんのたちの身の丈にあった、予算の要らない取組です。

昨年からみんなで「おばちゃん逸品マップ」を季節ごとに手づくりし、わが店の逸品を各店が自力で描く「おばちゃん逸品ポップ」を店頭に飾ってきました。

昨年はマップとポップだけでもフーフー言っていたおばちゃんたちが、加えて今年はこれだけのことをやりました。私は瀬戸商工会議所の「商人塾」という仕組みの中でコンサルタントとして通い、おばちゃんたちとワイワイやってきたのですが、まさかここまで彼女達がやり抜くとは思いませんでした。

「大丈夫、おばちゃん力を信じましょ」とはいうものの、記者会見まで仕込めるのかどうか、ハラハラしていました。

それが1月19日、会見場所の商店街空き店舗「末広亭」に着くと、見事に会場ができています。その上、「さみしいから花を活けようか」と、花瓶や花を店頭から借りて運んできたり、「記者さんが寒いといけないから」とストーブを焚いたり。おばちゃんたちはぎりぎりまで走ります。

そして時間になって、今日の段取りの説明から、趣旨、逸品紹介と全員が交代で口を開きました。震える声で、書いたものを読み上げるのが精一杯のおばちゃん。寝ないで覚えたことをフリをつけて話すおばちゃん。

バスガイド風に朗々としゃべる人。なんと、「おふく~ろサンド♪おふく~ろさん♪」と唄ってしまったおばちゃんも登場。記者さんからの山ほどの質問には、総力戦で答え抜きました。

最後はみんな大笑いのうちに終了。観客として見物してた、商工会議所、市役所、私、みんなびっくり感動の拍手でした。

「野口センセ、あたしたち記者会見がクセになりそうよ~~~」カラカラカラ~~~ッと笑うおばちゃんたちを前に、コンサルタントとしての務めは終わった、と私は思ったわけです。良かった良かった。