木曽の「ほう葉巻き」

お仕事で

長野県木曽福島、木曽川沿いに珍しい「崖家造り」の家が並ぶ、谷あいのまちです。

6・7月は、緑美しい朴の葉で「ほう葉巻き」が作られます。中身は柏餅と同じ。ただ驚いたのは葉を一枚ずつ離さずに巻いて、房状に仕上げていること。

初めて見てびっくり仰天。地元の人にはあたり前のことらしいのですが、私には木曽義仲の歴史話よりずっとインパクトがありました。

木曽福島には、長野県の「観光資源ブラッシュアップ講座」という研修で「楽しくめぐるテーマを見つける」というワークショップ講師をやりに、でした。

この地は私は初めてです。地元のボランティアガイドさんにご案内いただいて、その同じコースを素材に全く新しいテーマで新しい観光メニューをしつらえてみよう、というワークショップにしました。

長野県下から観光行政担当者を中心に10数人が集まりました。で、どうだったかはまた書きますが、とにかく「ほお葉巻き」なのです。

ガイドさんにはあまりにあたり前らしく、ご案内コースにも入らないのですがひょいとのぞいた和菓子屋さんで見つけました。ごらんください!ね、まるでバナナの房状になっているでしょう?

これをお客の希望に合わせて、「つぶ餡が二つとこし餡が一つ、それとクルミが一つ」という具合に、店員さんがチョッキンチョッキンと切っていくわけです。

ていねいに包んだ葉の中は、真っ白なお餅とあんこ。うかがうと木曽には柏が少なかったから柏餅でなく朴になったとのこと。お店の外には、見本の朴の木の鉢植えが置いてありました。

参加した、長野県下の方々はみんなご存知の、地元の味。しかし東京組みは、大感激の大喜び。この差には注目すべきです。「ほお葉巻き」の体験などもあるようですが、パンフレットなどには地味な扱いです。

「ほお葉巻き」をもっと際立たせてもいいかもです。年中なく、季節限定のお菓子ということにも惹かれますよね。なによりこの時期の木曽は緑がきれい、近くに水の音がいつも寄り添ってくれます。

代官屋敷を見学したり、様々な歴史のお話もうかがったのですが、最後に自分で飛び込んだお菓子やさんの「ほお葉巻き」について、先ずはこのように報告してしまうのが、今の観光客の正体なのかもしれません。

大好きになった木曽福島の報告は何回かに分けますね。