河口湖で「涼治」

お仕事で

山梨県富士河口湖町で「今日から始められる、おいしい観光まちづくり」というワークショップをしてきました。そこでいただいた河口湖レタス、アイスフレッシュハーブティーのおいしいこと。

富士山からの風、広い湖面、小鳥の声、深い緑、清涼なおいしさ・・・気温は高いのですが、すべてが涼しく感じられ
ます。湯治ではなく「涼治」。涼しさで心も身体も癒すのがうれしい夏です。

熱のかたまりのような新宿から高速バスで2時間。富士河口湖駅で降りてから先ず河口湖へ。写真を撮ってこなかったのが悔やまれますが、大きな湖面と富士山のなだらかな裾野のカーブがギューンと私の心を開いてくれます。

山に向かい、昼食へ。森の中の「Fiore」というお店。サラダのお出迎えです。やや縮れているグリーンが河口湖レタスという野菜。本名があるのでしょうが地元の方々はこう呼んでいます。結球しない、サンチュのような感じ、歯ごたえがいいです。

町の大石地区でとれる大和芋と地元の豚で作ったベーコンのパスタをいただきました。また、これがおいしい。普通はトロロにしてしまう大和芋を、大きく厚くザクザクと切って炒めてあります。ジャガイモよりもずっとおいしいし、なにより食感が新鮮。

このままワインでも飲みたいところですがお仕事お仕事と、食後の化粧直しにいくと開いた窓に、天から降ってくるような小鳥の声です。東京では録音が流れますが、ここのは本物。トイレの窓から顔を出して、キョロキョロ。夏中ここに居たくなりました。

この日は、町が主催する「観光まちづくりカレッジ」の今年度の初回。活動テーマは「‘食’で観光まちづくり」と昨年度に決めているそうで、今年は何か具体的な行動を、という場面でした。そこで、そういうことばかりやっている私にお声がかかったわけです。

町の担当者にお願いしました。「私が話すだけでなく、参加できるようにしましょう」「食べ物でのまちおこしなら、研修の場でも飲み物くらいはほしいです」

講義を聞くだけの研修を何度やっても‘うなづき上手’が育つだけ、‘行動上手’は育ちません。飲まず食わずで考えても、いいアイディアはでません。これは私がいつもしつこくいうことです。

とはいっても、ペットボトルのウーロン茶くらいかな?と思っていたら、なんとカレッジ受講生の女性がフレッシュハーブティーを用意してくださいました。河口湖では7月10日までハーブフェスティバルを開催中、ラベンダーがびっしり咲いているところもあります。ハーブの町ならハーブティー、うれしい演出です。

暑いのにいろいろなハーブを摘んできてくださって、それにレモンを加えて熱湯で淹れて、それをまた氷で冷やして、ビオラの花の砂糖漬けを浮かべる。涼しい涼しいおもてなしです。このハーブティーがあるのとないのとでは、研修の印象が全く違うはず。‘食’にはそれほど力があるわけです。

皆さんには自分がやりたい「食のまちづくり企画」を描いてもらいました。プロジェクト名とそれを現す絵と。

みんな「絵?!」と固まるのですが、なんのなんの、結局はすらすらと名画が出来上がります。クレヨンを用意すると結構うまく描けるし、みんなの顔が子どもに戻って、まちづくりを考えることがユルユルやさしくなるものです。

1人1企画、様々なアイディアがでました。今後が楽しみです。研修の間、冷房はなし。それでも風がさわやかに吹き込んで、室内のハーブの香りを起こします。

富士山の麓で育ったものをシャキシャキと食べ、風に吹かれ、カキンと冷えた身体にいいハーブティーを飲み、いい人たちと語り合う。仕事でうかがったのですが、いい癒しの時間をいただいた「涼治」の1日でした。