那須は元気です。
毎年ゴールデンウィークには、渋滞で困るほど観光客でにぎわう栃木県那須町。それが「今年は、本当にガラガラで困ってます」という声が聞こえていました。
観光客を待つよりも、逆に東京に乗り込んで“那須元気宣言”をしようと、東京「赤坂サカス」で、野菜の販売です。
まっすぐなアスパラ、真っ赤なトマト、緑濃いナバナ、咲き誇るスイセン。元気のおすそ分けをいただきました。
栃木県でも福島に近いまち、那須では震災で塀や蔵が壊れたりの被害がありました。また、福島から避難してくる人たちの受け入れと、応援にも力を注いでいます。
4月16日、その那須の友人から届いたメールです。
「那須は、観光客激減と農産物風評被害への懸念から、落ち着かない毎日を過ごしています。それでも、4月になり建物被害のあったところも修理が進み、徐々に各事業所の営業も通常に近い状態になりつつあります。
観光客が来ない日々をただじっとしている訳にはいかず、現在、那須は元気だと伝えよう!那須に来る人たちに元気になってもらおう!という、様々な取り組みが始まっています。」
そして4月23日のメール。
「TBS赤坂サカスの“絆プロジェクト~サカスマルシェ復興支援特別展”に出ることになりました。期間は4/29~5/6ですが、その中の1日だけ、5月1日(日)です。いらっしゃいませんか?」
4月28日のメールには「今日は、有楽町の“那須元気!宣言”キャンペーンに行って来ました。暑くてひからびそうだったけど、たくさんの人に足を止めていただき、野菜は完売、アルパカも大人気でした。」
そして、今日5月1日は赤坂でした。
届くメールで彼女が必死に動いている様子が伝わってきます。友人自身別の仕事を持ちながらも、「自分のまちが元気だということを伝えたい、那須に来てほしい、那須の野菜を食べてほしい」という、いても立ってもいられない気持で、こうした動きに関っているのでしょう。
もし私だったら、自分の住んでいる土地のために、こんな風に時間と労力を割いて動けるんだろうか?彼女の少し疲れた笑顔を見ながら考えました。
野菜を買い込み、すぐかぶりついたシシリアンルージュというミニトマトのおいしいこと。「子どもを連れて今度、那須に行こうかなあ~」私と同行した仲間がつぶやきました。
そうです、出向いて元気を届けるべきは、東京人なのです。"