今年度やること

お仕事で

私の通う十津川村谷瀬集落、むらおこしで「今年度やること10」が決まりました。

第1位は散歩道の休憩所「こやすば」で楽しいことをやる。2位は子どもの遊び場づくり。いまこの集落はベビーラッシュです。そして、散歩道の清掃、「吊り橋茶屋」の一押しメニューづくり、と続きます。

皆が出したやることアイテムから、優先順位をつけ必ず実行する手法。今年もこれで集落が変わります。

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十津川村谷瀬へは、近鉄大和八木から新宮へ向かう、日本一長いバス路線に乗って行きます。この日4月4日は、たまたまJR五条駅から乗り込みました。

車窓の右も左も桜です。東京の桜は人だらけですが、こういう田舎の風景の中にパッと咲く桜は人に媚びていない、悠然とした感じ。気持ちが晴れやかになります。


同じく日本一の吊り橋。もうおなじみの「谷瀬の吊り橋」、生活道として使われる吊り橋としては日本一。河原の桜がきれいです。


吊り橋に続く「ゆっくり散歩道」に、集落の人が植えたチューリップ畑が。案山子も手作り。これももうすっかり風景としてなじみました。


もともと花の多い谷瀬です。さらに、むらおこしの動きが起きてから、みんなが花を増やそうと努力してきています。


道沿いに立派な葉を広げるのは高菜。これを漬物にして、名物の「めはり寿司」にします。そんな説明の書かれた立札が。人に会わなくても歩ているとこんな立札が話しかけてくれます。


あれ?花盛りの散歩道を二人のお母さんが文字通りゆっくり散歩中。


今この谷瀬集落は、住む人が増え、子どもも増えました。もともと40人そこそこの集落ですから、移住や引っ越しで新しい人が増え、子どもも8人増えるとなると、急に平均年齢が若返ります。こんなのどかなお散歩ができる、子育て環境が谷瀬の魅力なのでしょう。


1.6キロの散歩道を歩く観光客のために、要所要所にスタンプ台が置かれました。この集落のむらおこしを私と同じく6年近く応援している奈良女子大学の学生さんによるものです。可愛いスタンプを集めに、どんどん歩きたくなる仕掛けです。


散歩道の少し上の方に、念願の加工場ができあがりました。4月末には開所式です。小さな集落ですが、柚子を使った「ゆうべし」づくりや、高菜漬や加工品づくりが盛んです。もっと造って収入が得られれば、ここに住み続ける人が増えるでしょう。子連れでも仕事ができるように、工夫のある建物になりました。

周りには「ゆうべし」に使う柚子も植えられています。


さあ、そんな変化の進む谷瀬で、新年度最初の寄合がありました。今年度何をやるのか、書き出して発表します。

子どもが増えたから遊べる場所を作ろう。野猿という乗り物を作ってみよう。やらねばならないことから、やってみたい夢までいろいろ出てきます。


古民家を整備して休憩所「こやすば」にしたのですが、ここをもっと活用しようと意見がたくさん出ました。

レコードコンサートをしよう。定期的な飲み屋を開こう。ドラム缶ピザ窯でピザを焼こう。まずは集落の人が美味しいものを食べながらおしゃべりしよう。

手作りクッキーを売ろう。「こやすば」ブランドの新商品を開発しよう。お茶摘み体験をしてお弁当を出そう。などなど。


すぐやることが5つ、今年度中にやることが5つ、決定。またこの目標を一年かけて、確実に実行していきます。

皆さんの土地ではどうでしょうか?やりたいことがぼんやりしていて、みんなの合意形成ができないときは、こんなカード方式で投票していくのが決めやすいです。

各人の意見を公にして、説明して、優先順位を決めていくやり方。そしてそれをいつまでに、誰がやるかも決める。谷瀬方式です。

ひとつ実現するとつぎへの自信に繋がります。小さいけれども必ずやって行くこと、その積み重ねで地域って変わっていくのだと思います。