お店をやりたい:その4

ちょっとしたこと

お店というと売買の場所と思いがちですが、どこかに出かけるきっかけがある場にもしたいものです。

日本古来の包装材「経木」の良さを知ったなら、那須塩原のその作業所を訪ねる。

藍のお茶の美しさを知ったなら、雲仙市の藍工房を訪ねる。北海道池田町のワインを知ったなら、そのブドウ畑と貯蔵庫を訪ねる。

これまで私が見聞きして来た逸品・場所・人を訪ねる旅も始めましょう。
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先日、スローライフ仲間から「ツアーや小さな旅」「お出かけサロンを」をやれば、というアドバイスをいただきました。
うん、それはいいと言いながら、何年も前からそういうことをやろうと思った、やっていたことを思い出しました。

地域密着の小さな旅は、30歳代からずっと提案し続けてやって来たきたことでした。

伊豆で「伊勢海老スクール」というミニ旅。伊勢海老について漁師さん、仲買人さんから学び、網から外す体験をし、生け簀で伊勢海老つかまえて、旅館の板前さんから伊勢海老のお刺身の作り方を教わる、そんな体験催しをやりました。

今から30年前です。「こんな旅をしたかった」という参加者の言葉が見出しになって、新聞に大きく取り上げられました。

温泉文化研究会を静岡でしていた時は、ただ温泉に入って豪華な料理を食べるのではなく、昔からの、または新しい温泉文化を体験しましょうといろいろなカリキュラムを実験しました。

これは25年前の話です。温泉療法がまだ出始めの頃、当時の仲間が果敢にチャレンジしてくれました。温泉卓球大会、温泉旅館の女将さんに学ぶ着つけ・和食の作法、アジの干物作り体験、ワサビについてとことん学ぶ体験、温泉と組み合わせていろいろやってきました。

掛川では学びのバスと称して、茶工場にいったり、地元の茶農家を訪ねたり、お煎餅屋さんを見学したり、化石を探したり、牧場でソフトクリームを食べたり、美術館を解説付きで回ったり、いろんなメニューを入れ込みました。

東京に移動してからも、湯河原で梅の剪定体験と絵手紙、多治見では焼き物の里のウォーキング、蕎麦の種まきから食べるまでの蕎麦全部体験、ニンニク産地ではニンニクを入れた足湯を発明体験、米粉の産地では米粉の新しいメニューの開発をみんなで、きりたんぽの産地ではいろいろな食べ方できりたんぽをみんなで食べる。フルーツの産地では市民主催のフルーツがテーマの小さな体験催し。そしてスローライフのフォーラムとともに、皆さんを地元見学にあちこちご案内してきました。

各地の「逸品」を“逸村逸品”というコンセプトで紹介し始めてから、逸品を訪ねる旅もいくつか考えて、でも実はこれは実行にまでは至らなかったのです。

そうか、これを再びやろう。忙しさにかまけてふたをしていた企画を開けることにします。

出かけた先で誰かに会い、何かを体験し、珍しいものを食べ、語り合い、その地での新しい関係をつくる。地方や小さな村町の良さを実感する。ずっとやってきたことだし、やりたかったことでした。

こう「やるぞ宣言」をして、いつどこへどんなというわけでもないのですが、すっかり忘れていたやりたい気持ちに火が着きました。

運よく私の妹分が小さな旅行会社もやっています。これはいっちょ相談して、スローライフ・プチツアーを始めようじゃありませんか。まずは丹波篠山へ黒豆の枝豆ツアーと行きますか?!

話を戻すと、つまりそういう企画や呼びかけもするお店にしたいわけです。と、長々の説明でした。