メロンパンが買えない
IT弱者の友人の話。先日、渋谷でおじさんが入っても大丈夫そうなパンカフェで、ひと休憩したく「そこのメロンパン食べながらコーヒー飲めますか?」とうかがうと、「どうぞ」と。席に着いたら「まずはこちらのQRコードから登録していただいて」ときた。それで「高齢者はメロンパンも食えないのかよ、と思いながら店を出た」とのこと。う~~ん、こういうこと増えていますよね。
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メロンパンやコーヒーに限らず、何か買い物するのに、まずはQRコードが登場することが増えました。チラシにも、名刺にも、広告にも、地図にも。このへんてこなマーク?コード?だらけ。コードと聞けば、電気製品につなぐコードと思う私には、この言葉そのものに慣れるのにも時間がかかりました。
何かを調べるためのQRコードならまだいいのですが、そこから自分を登録して、それからでないと次の行動に移れないとなると、QRコードは暮らしや行動を制限する障害物、衝立のようになります。先の男性は「俺、あのQRコードに、こっちの世界に入るなと遮断されたように思った」つまり、今の世の中に認められない、除外された感覚になったわけです。これは私もよく感じることです。
まだ、こんなブログを書いているくらいですから、なんとかこの流れに片足は乗れるのですが、完全に簡単に乗れているわけではありません。ファミリーレストランに座っても、注文QRコードというのが出てきます。でも世の中わかっている風のホール担当のお兄さんが「呼んでくだされば、注文うかがいますので~」と高齢者夫婦を気遣ってくれたりします。
イベントに参加するにも、「まず、このQRコードからお友達登録していただいて」などと受付のお姉さんに言われます。目の前が会場で、即入りたいのに、なんでいろいろ登録しなくちゃならないの??なんていうのは「子供っぽい。あなたの個人情報がほしいから、それと引き換えに無料で入れるのだから。面倒でも従いなさい」とのことなのでしょうが、この先世の中どうなるんだろうと思います。
地震で家がつぶれても、助けが来てくれても、
「まず、消防のこのQRコードでお友達登録いただいて」「急いで助かりたいなら、1を。家族を呼んでほしいなら2を。このままほってほしいなら3を。お選びください。」なんてなるのでしょうか。