どうする公民館

お仕事で

このタイトルの、公民館について考えるワークショップをやっています。地域の方々に高校生や大学生も混じって、ハードとソフトを考える会合。地域づくリに公民館は欠かせないですが、若い人からは「入ったことがなかった」「偉い人達が会議をする場」「Wi-Fiはつながるの?」などの意見がでます。一方、高齢者からは「もっと若い人が利用を」と。この差こそ、どうする⁉︎ですね。

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ある市のある公民館が、老朽化しています。建ってから数十年、壁はひび割れて、使い勝手が悪い。建て替え時期なのですが、行政がポンと立て替えるよりも、これを機会に住民が公民館を考え、こうしたいああしたいという思いが湧きたち、だから立て替えようとなるのが、正しい姿です。話し合っていくうちに、立て替えなくてもいいという結論が出るかもしれない。そういうことも含んでの、ワークショップとなりました。

「円卓会議」と呼ばれるこの集まりは、私にとってもおもしろく、いわゆる結論ありきの委員会という雰囲気もなく、皆さんの意見が聞けて実に楽しい。楽しいついでに「どうする公民館」なんてタイトルにしたわけです。

良かったのは、開催にあたって、高校や大学にお願いして、お若い方の参加を依頼したこと。そうしなければ若い方の参加がないこと自体がそもそも問題なのですが、いま、広く住民に声かけしても、中高年の方々ですら、地域の話題の会合に参加してくれない現実があります。ですから、若い方など、「依頼し、派遣して頂かないと」とてもとても、、、なのです。

今回は公民館がテーマですから、話し合いが成立するためにも、まずは公民館を見てもらうことからスタートしました。何せ、若い人には「入ったことがないところ」なのですから。グルグル見回っているうちに、5つの班に分かれた参加者が多少言葉を交わし、仲良くなっていきます。

そしてその後テーブルについて、自己紹介。自分と公民館の関りも含めて。すると、高齢の参加者のなかにも、公民館ヘビーユーザーと、特別のことがあるときだけ来る人と、自分の楽しみだけに寄る人と、いろいろあることが分かりました。若い方に至っては、公民館のイメージは「地域の偉い人達が会議をするところ」「高齢者が集まる場所」「何をしているところかわからない」「ネットが繋がるとは思わなかった!」なんて言葉が出てきます。

そんなところから「どうする?」を話し合いました。各班からいろいろ出ました「畳の広間はいらない、土足で入れる空間に」「バリアフリーになっていない」「物置が2階で使いずらい」「女子トイレが狭い」など。「掃除が行き届いている」「花が綺麗」「グランドがあっていい」「活動が多い」「物の貸出は良い」などのおほめの言葉もあります。

さらに、どうしたい?とやりたいことを聞くと。「ぶらっと寄れるカフェやホテルのロビーみたいな雰囲気に」「Wi-Fiが使えることをもと周知」「若者が使える学習室がほしい」「ゲーム大会をやろう」「パブリックビューイング」「畳は子連れ、体操には必要」「平屋がいい」「音楽を流し、照明を明るく」「すき間の時間に立ち寄れる場にしたい」「フリマをしよう」「商品開発したものを試用の場に」「使用料をとってもいい」「申込しなくても使いたい」などなど出てきます。

こうしたい、の意見のかなには、「え?今までしていなかったの?」と驚くほど、遅れていた、いえいえ、気づいていたけど手が回らなかったことも発見できました。さあ、どうなる?どうする?はまだ続くのですが、こういう話し合いがワイワイできる公民館になっていくことが良いのでは、、、と眺めていて私は思いました。

全国の、都市部というより、地方、地域に、公民館はあります。最近はいろいろ公民館の仲間のような機能を持った場所ができつつあります。また公民館の役割も、これまでの枠からどんどん広がっていきつつあります。これを活用しない手はありません。地域づくりやコミュニティの拠点にしていかないと、もったいない。ここに手を付けていかないと、ただ建物があるだけで終わってしまいそうです。ご紹介したワークショップは、ごく小さな動きですが、建て替え時期でなくても、「どうする?」は各地で常に考えていなくては、と思いました。