鍋焼きラーメン
この瓦版で以前、増田寛也さんが書かれていた高知県須崎の「鍋焼きラーメン」なるものを食べてきました。土鍋にラーメンが入り、生卵が落とされ、白ご飯も一緒に。味は普通ですが、土鍋効果で最後まで熱々。汗が吹き出す冬場におすすめのものでした。須崎駅ホームからも「鍋焼きラーメン」の看板が見えます。丼でなく鍋焼きにしたら名物になる、面白いなあーと思いました。
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今年の1月17日の「スローライフ瓦版」に増田さんがこのように書かれてます。「略~鶏ガラベースの醤油味。土鍋でネギやちくわとともに熱々のラーメンをすすると本当に美味しい。地域の奥深さを知るには、食べ物が手掛かりになる。~」なるほど、鶏ガラの出し、ちくわと卵も入って熱々でした。
で、何で今回私がこれを食べるようになったかというと。たまたま高知県須崎駅から列車に乗ることになり、それなら「街を見てください、今動きがいろいろあります」とご案内いただいたからでした。時間はそんなにないのですが、お昼ご飯を食べながらぶらぶらしようと思ったのです。
まずはお勧めされた「須崎大漁堂」に行きました。「千と千尋の神隠し」に出てきそうな建物、神社のような、お寺のような、ホテルのような、カフェのような、レストランのような、アンテナショップのような、インフォメーションセンターのようなところです。「わああ、ここにずっといてまったりしたい」と思ったのですがまた今度。カレーなどもあったのですが、ここではゆっくり時間を過ごしたいと思い見学だけにしました。
並びに新しくできたお魚料理の店。ここも魅力的な建物。いい匂いはするのですが、中を覗いたら満席!平日の、既にお昼過ぎなのに~~。「お時間かかってしまいますが」と申し訳なさそうな女性に送られて諦めました。
となれば、駅に向かいながらとなります。途中で道を聞くと植木屋さんがハサミを止めて、丁寧に教えてくれました。ふと見ると立派な魚屋さん。「このまま買って帰りたい~~」と思える上質のお魚が安い!お刺身も美味しそう。さすが漁業のまち須崎ですね。ここに住んでいれば、毎日このお魚が食べれれるんだ・・・。
お腹がすっかりすきました。そこで「鍋焼きラーメン」と看板にあれば入るしかありません。あまり考えずに入った喫茶店、本当はオムライスなどが得意なのでしょうけど、頼んだわけです。しかもご飯付きで。
美味しかったのでした。ラーメンが土鍋に入ってグツグツしながら出てきます。これにびっくり。ご飯と交互に食べても汗が吹き出す。たくわんもポリポリ、アクセントになる。ちくわ入りというのも可愛い。ラーメン自体がめちゃくちゃ珍しい凝った味という訳でもないですが、それだけに万人が美味しいと思うはずの味です。
海べの冬場には、たまらないラーメンだと納得しました。夏場はこれにビールですね。昔これを発案して出していたお店は、出前の時に冷めないようにということからだったそうです。そこがなくなり、その後再び、まちおこしの動きの中で復活したとか。いろいろルールがあり、それぞれのお店が工夫して出しているようです。それを食べ歩くのもいいですが、私は割合、研究しないでブラリが好きなタイプなのです。少々疲れ、少々寒かった日。汗をかくほど温まるランチとなりました。
駅の近くまで、あっちにもこっちにも「鍋焼きラーメン」の幟などがあります。眺めていたら、通りがかりの人が「おいしいですよ、あったまりますよ」と声をかけてくれました。この一言で、さらに私、温まったわけです。