チームシルク
高知県梼原町、隈研吾さん設計の役場から、10分山に入った越知面(おちめん)地区に行きました。私の研修に参加した女性が「来て~!」と招いてくださったのです。元小学校だった建物に到着すると、はじけるように元気に笑う女性グループが、自慢のピザを焼いて迎えてくれました。桑の葉使用の加工品作りから出発したためシルクの名ですが、今はキクイモに夢中だそうです。
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これは最後に撮った記念写真ですが、どれだけ素敵な方々かを見ていただきたくて・・・。まあよく笑うのです。私の横、一番右が代表の瀬戸口登貴さん、豪快!この「集落活動センターおちめん」「越知面遊友館」を拠点に、「チームシルク」さんは2016年から地域特産品づくりの活動を始めていらっしゃいます。
いま、カフェになっている部屋には、歴代の卒業生の写真が貼ってあります。「私はこれよ」「うちの旦那がこれ」「若いね~」なんて説明が。
「シルク」の皆さんの名刺がまた笑わせてくれます。見えるでしょうか?肩書に「教頭」「釜番人」「金庫番」「素直な下働き」「用を足せない用務員」なんて!そして「はい、私は素直な下働きの岩本です」なんて自己紹介が始まります。聞けば、この活動の前は、それぞれにかなりのキャリアを積んだ方々ばかり。だから笑いながら地域おこしをやっていく、スキルがあるんですね。
毎週ピザやパンをやいて販売。材料には地元の野菜やジビエが使われていて、楽しみにしていると町民も多いそうです。またオーダーでシフォンケーキの注文もあるとか。どこかへお土産にはシルクさんのシフォンケーキ、という定番があるのはありがたいですね。
この上下のピザをご覧ください。生地が実においしい。そして、ちょっと味噌やネギの味、甘い味などもあって、ひなびた感じも出ている。そして印象深いのがお皿です。上はほうろう、下は赤い塗のお皿。「皿鉢料理」の高知県です、こうした巨大なお皿が当たりまえにある。でもこれがお皿だと重い。ほうろうや塗ならどんなに大きくても、運ぶにも洗うにも便利なのですね。それにピザがのって出てくるあたりが面白いのでした。
越知面地区は人口525人、ここでの楽しいまちおこしの様子がスナップ写真のコラージュで飾られていました。仲間に入りたいなあ~。
皆で集うときはこんな大皿が出るんですね。
これは、おからの寿司だそうです。食べてみたい!
そして、「越知面遊友館」は合宿もできる宿泊施設、体育館もあります。もちろん家族でも、安く泊まれるとのこと。ここにみんなで泊まって、越知面の方々と交流したいなあ~と夢が膨らみました。
いま「シルク」の方々が取り組んでいるのが菊芋の加工品。漬物はあちこちでいただきますが、菊芋チップスは初めてです。ビールがほしくなる美味しさ!これを食べて、菊芋効果で健康になれればうれしいです。
パッケージの試作も出来て、商品化が進んでいました。シルクの活動も含む全体の動きは、2018年に特定非営利活動法人おちめんができて、さらに本格的になってきています。
「シルク」の皆さんは「本当に田舎でしょう?よくこんなとこまで来てくれましたねえ」と謙遜されますが、いまや田舎の方が都会よりずっと進んでいます。お金とコロナのことばかり考えて、日々しかめっ面している都会暮らしに比べて、小さなお金を稼ぎながらおおらかに暮らす越知面の人々の方がずっと文化的でしょう。
マスクを吹き飛ばすほどの笑い声で車まで送ってくださった皆さんからのお土産は、春にふさわしい桜色のシフォンケーキ。塩漬けの桜入りです。シルクのようにやわらかでしなやかな舌触り、そして食べるほどに笑顔になれるケーキでした。また、いきたいなあ~。高知、梼原、越知面、「チームシルク」さんのもとへ。