「スーパーよさこい」で

ちょっとしたこと

東京・原宿の「スーパーよさこい2024」をのぞいてみました。106チームが参加、次々とオリジナルの曲・踊りが披露され、炎天下で若い力が炸裂します。大音響と熱気に、私はすっかり元気になり。同行の夫は、迫力負けして夜に熱を出しました。それにしても、こんなにたくさんエネルギッシュな若者が、目の前にいるのに。なんで地方の集落再生の現場に若者はいないのだろう?そのことばかり考えました。

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「よさこい」とは何か?については、スローライフの会会員の高知大学・川竹先生にお任せして、(以前、「さんか・さろん」でお話しいただいたときの内容です。→https://www.slowlife-japan.jp/2022/02/03/%ef%bd%93-88/)ここでは私の感想に留めます。「鳴子」を手にして前進して踊る、よさこい節を必ず入れる、などの簡単な取り決めはあるようですが、そこだけ抑えれば基本自由に曲も踊りも創作できるというらしい。で、夏には高知を始め各地で「よさこい」祭りがあるのですが、ここ原宿の「スーパーよさこい」は規模的にも凄い、ということでした。

衣装を着た若者たちは皆、必ず鳴子を持って歩いています。この鳴子のおおもとの意味を、この人たちは知っているのかなあ~。表参道にひらひら踊る、「高知」のフラッグを見て、高知に来てくれるといいなあ~。

普段、散歩やランチに使われる、緑地がこの日は若者たちの休憩スペース。日陰とはいえ、衣装を着ている人たちはさぞかし、暑いでしょう!炎天下に出て、練習したり。化粧直ししたり。

宝塚風、女学生風、ツッパリ風、アルプスのハイジ風、いろいろなチームが有ります。やはり東京のチームが多いのですが、北海道、新潟、富山、静岡、岡山などなど。ちょっと話をうかがった若者は奈良の人、それが山口のチームと意気投合して参加しているとか。地域を意識してチームは出来ているものの、その中の構成は地べた繋がりだけでなくネットワーク繋がりになっているわけです。

それにそもそも東京のチームとはいえ、一人ずつの出身をうかがえば、各地からのはず。ある意味、地方を抜け出してきた若者がほとんどでしょう。

注目したのはベトナムからの初参加チーム。ハノイを中心に活動し、夏の原宿で踊るのが夢だったとか。ベトナムの国旗を振りながら、昔の平民の民族衣装風の出で立ちが(上)、早変わりで豪華な衣装に(下)変わるという演出。短時間のステージではもったいないようなものでした。

うかがった日は、表参道での行進はなく翌日が行進だということでしたが、こんなに汗をかき、こんなに声を張り上げて、踊って、唄って。もう一日行進するなんて、大丈夫?と心配になります。我が老夫婦は見物2時間が限度でした。で、ついつい考えてしまうのが、このパワーを地域おこしに分けてくれないか?ということ。逆に見れば、地域おこしの場には、彼らがノリノリになる場がないということになる。

なぜなのか?

小さな取り決めはあるものの、発案や参画に関われる。その土地の繋がり在住に縛られない。スポンサーはあるけれども基本自費で活動、だから自分ごと。受験があって、初めて参加できるというような世界ではない。高齢者が偉そうにしている、指図するのに従う縦社会ではない。「そんなことしたら笑われるよ」と、世間で言われることが平気でできる。体力はいるけれど、誰でも注目は浴びられる。ゴミ拾いや交通整理などもきちんとしていてルールを守り、「良いこと」をしている充実感がある。歌詞の中で、世界平和や生き方への問いかけもしている。濃い化粧や派手な衣装で、違う自分になれる。全国に、仲間ができる。地域は意識しても、地域のために何かやらねばという感じではない、etc。

そんな「よさこい」ワールドのひとかけらの要素でも、地域おこしや集落再生の場に作れるのか。自分に問いかけると、私も熱が出そうな難問でした。