「ワイン城」のマンガ

お仕事で

昨年の夏、北海道池田町でまちづくりのワークショップを開催した際、参加のお一人の女性から描いている途中のマンガを見せていただきました。池田町はワインでまちおこしをして、シンボルとなる「ワイン城」があるのですが、なぜそうなったのか?子供たちは知らない。それをマンガで伝えようという試み。励ました覚えがあります。このたび町を訪れると町民パワーで立派な本が仕上がっていました。

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これがその本です。この5月、中旬に池田町にお邪魔したとき「できましたよ」と役場の方に教えていただきました。企画された細川経営ビジネスさんを訪ねると、細川征史さんがニコニコ。私に絵を見せてくださった、作画担当の村瀬ゆかりさんはお留守でしたが、「ここで彼女はワイン城関係の本を皆読んで、描かれたんですよ」とゆかりさんの座っている机を指さしてくれます。

東京の狭い事務所と違って、この事務所は広々しています。人口は少なくても、空間の余裕は豊富にあるのが地方ですね。ここでワイワイと皆で、ストーリーを考えたり、絵を批評したり、資料を探したりしたのでしょう。

『ゼロからのチャレンジ!!~わたしたちの町にお城がある理由~』は初版は既に売り切れて、今あるのは増版したもの。町内の要所で1650円で買えます。ショート版も出ているとのこと、こちらは道主催の「北のまんが大賞・特別賞」を受賞したそうです。

中を読むと、本当に、ワインなどとは全く無縁だった町が、ゼロから勉強し、たくさんの挑戦をして“ワインのまち”になっていった経緯が分かります。この本で初めて知った人も多いと思います。

ワイン城は単なる観光施設、観光客がワインを買うところ、ワインを造って出荷するところ、と思ったいた人達は、ビックリする内容が楽しく伝えられていました。大変な苦労話が上手く整理され、漫画らしくついついクスっと笑う箇所もあり、飽きない構成です。

これは町民はもちろん、まちの子供達、そして、全国のまちおこしに頑張ろうとしている方々に読んでほしいと思いました。小さな思いつきや、素朴な発案、努力、技術によって、立派な本もできる。ワインのまちも、こうした皆の力で花開いてきたのだと思います。