ミツマタ交流会
ミツマタは名前の通り、枝が三つに分かれいる樹。先日この花を飾りながら、京都府綾部市で交流会を行いました。移住者と旧住民と、私のような外の者が、過疎集落維持のために話しあう場です。三者が違う意見を持つかのようですが、「この土地が好き」という根っこの気持ちは一緒。三つの立場は、きちんと元で繋がっていました。ミツマタの花言葉は「強靭」だとか。違う三者がいることで、地域はより強くなると思います。
これがミツマタの花です。沈丁花の仲間なので、花(ガク)の仕組みが似ていますね。いい香りがします。綾部市の水源の里・橋上にミツマタの群生があり、雨の中、交流会の為に少し枝をいただきました。
犬の散歩をしていた人が、偶然見つけた群生だそうです。枝を分けてくださった、地元の佐々木幸雄さんが「人に見てもらいたいけど、手すりや足元をきちんとしなくては。休めるイスやテーブルも、トイレもだ。年寄りばかりだから作業が進まない」と悩みを打ち明けます。

山中の美しいものを見るならば、そこをお手伝いする気持ちと労力を出さないと、美しさは維持できないのが現状ですよね。私はお花をいただくばかり、写真を撮るばかりで、お役に立てず申し訳ない気持ちでした。
翌日、ミツマタを素敵にいけていただいて、佐々木さんと私が並び、移住者のの方3人も並び、簡単なシンポジウムスタイルの交流会です。
きょうだい3人とお母さま、4人で水源の里・瀬尾谷の古民家に移住された嶋崎紗恵里さんは、有機農法で地域野菜作りに取り組んでいます。オクドさんでご飯を炊いて、本格的なペチカで暖を取って、ほれ込んだ景色に囲まれて「毎日が楽しくてしょうがない」と笑顔。集落で共同で行う作業、村用に出ることもうれしいとのこと。
私はなんとか、移住としての苦労話を引き出そうとするのですが、マイナスのことはない、とおっしゃいます。
古割大地さんは、水源の里・上原の古民家を、レンタルスペースにしています。古民家「HIKARI」という名。年間多くの方が、懇親会をしたり、催しをしたりに使っています。地元のいいところ、地元の人達と繋がって、だんだん使い方を広げていきたいとか。「お客様扱いしなくていいので。なにか、お手伝いがあればやりますのよ」と実に協力的な雰囲気。ありがたい若者です。
水源の里・鳥垣に「自然素材 オリジン」という名で民宿を開き、お菓子作りもされている柏原安子さんは、「もう10数年も経って、すっかり地元になじみました」とニコニコ。移住の時に小さなお子さんだった娘さんも今年から大学です。少人数のながらも、客様をいろいろあ体験でもてなされています。お菓子工房もあり、「ここを皆さんで使えばいい」と前向きです。
なんだか皆が『いい移住者』さんで、進行役の私としては「村用などイヤ」なんて声が出てほしいところなのですが。お隣の旧住民代表、佐々木さんが「こんな席じゃ、本音は言えんよ」と私にささやきます。そりゃそうですね。
でも、この日、移住者の方々の“やっていること”が、自己紹介の発表でよくわかりました。客席側に座っていた各集落の方々は、「ああ、そういうことをやっている、こういう人だったんだ」とはじめてきちんと分かったはずです。移住者のことは、旧住民は知っているようで知りません。なんとなく両者が距離を置きます。わかっていれば、もっといろいろ誘ったのに。わかっていれば、こちらも相談できたのに。ということがお互いにあったはずです。本音が出てくるのは、その後でしょう。
移住された方は、それなりの夢やビジョンを持っています。それまでの集落になかった技術もお持ちです。高齢化でもうダメだ、と思っていた集落の身近なサポーターになってくれるでしょう。また、移住者にとっては、旧住民は、こまごま相談できる移住暮らしをサポートしてくれる存在です。そして私のような、他所ものは、ああだこうだ言いながら、両者をつなぐきっかけやアイデアを出す係です。
それぞれ、集落を、地元を思う気持ちは変わらないと思いました。そんな時間を過ごす間、ミツマタは甘酸っぱく香っていました。






