札幌で願う

ちょっとしたこと

晴天の日、北海道神宮で結婚式と七五三の様子に出会いました。愛を誓う二人の幸せを願う参列、子供の健やかな成長を願う親子連れ。晴れ着が輝き、一心に参拝するその姿が美しい。その後登った「藻岩山」には恋人たちが願をかけた鍵がびっしり。一つ一つに強い願いを感じます。では私は、あらためて今、何を願うのか?願うことがありすぎて迷います。美しくない私でした。

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札幌には何度も行っていますが、北海道神宮は初めてでした。街なかから大きな鳥居が立つ道内最大の神社、明治の初めにできたそうです。パワースポットともいわれているとか。

立派なお社です。周りの緑も素晴らしい。その中に、キラキラ、晴れ着の子供たちの姿がありました。聞けば、11月にはもう寒くなる北海道では、季節のいい今頃に七五三のお祝いをやってしまうのだとか。いいところに出くわしました。

お若いお母さん、お父さんがマスク姿で晴れ着の子供たちの手を引きます。子供の方は、もはや草履と着物でくたびれている様子ですが、親としては何とか連れていくのに必死。そして、丁重にお参りがこれから始まります。

若い夫婦がこうしてちゃんと風習をコロナ禍でも守るのになんだか胸を撃たれます。「やっと三歳になった」「七歳まで元気に育ってくれた」「これからも無事に育ちますように」時代は変わっても親の願いは一緒でしょう。ましてや同行のおじいちゃんおばあちゃんの思いは、さらに深いかもしれません。

おやおや今度は結婚式です。わあ~キレイ!完全にこちらは見物状態です。もしかしたら今まで延び延びになっていた式なのかもしれません。雅楽の音が響き、式の様子の写真はありませんが、十分に眺めることができました。緊張するお二人とその様子を見守る親御さん、見物人としても「このお二人に幸あれ」と願ってしまいます。

ロープウエイに乗って藻岩山に上りました。札幌の街が広がります。この街のあちこちで、今日は七五三のお祝いがあり、何組もの結婚式が行われているのでしょう。健康に、安全に、幸せに。家々の一つ一つからささやかな願いの声が聞こえてきます。最も多い願いは、コロナが終息しますように、でしょうか?

展望台まで行くと、願の極致のようなものがありました。「恋人の聖地」と看板が立ち、愛の鐘を鳴らせるようになっています。そして愛を約束する、鍵がぎっしり。「いつまでも手をつないでいたい」「幸せが続きますように」「大好きでいよう」いろいろな願いが書かれています。この鍵をかけた人たちは、今頃どうしているのでしょう?願いはかなっているのでしょうか?

パワースポットに立ち寄り、聖地にも立ったあとだから?帰りがけに虹がでました。寄り添う夫婦はなにか虹にお願いをしているのでしょうか?そこで私も虹が消えないうちに、、、と考えたのですが、あれもこれもと多すぎて、願いは定まりません。あえていえば総合的にひとつよろしく、ということになります。ああ、醜いな私は。もっと純粋に願うことはできないのかしら、、、、そのうちに虹は消えてしまったのでした。