図書館で

ちょっとしたこと

ひさしぶりに、地元の図書館に行きました。コロナ対策で一時は閉まっていたところです。以前は相当混んでいて、座る席など取れなかった図書館ですが、滞在時間制限や密にならない工夫のせいでしょうか空いています。本自体を不特定多数の人と共有することに、まだ少し抵抗もあるのでしょう。消毒した手でページをめくりながら、もっとおおらかに本が読めればと思うのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この細長いビルの7階に図書館があります。すぐ近くが新宿御苑なので、セットで利用してきましたが、この冬からは近寄りませんでした。コロナ禍で閉館していましたし、なんとなく人だまりができるところは敬遠していました。

先日ある地方のできたばかりの図書館にうかがいました、上の写真です。お日様がしっかり差し込んで、ひだまりにいるような環境でした。複合施設の一階、まだ新しく、広々とした窓からは外の景色も見えて、すがすがしい。感染防止対策はしてありますが、もともと広々空間です。

それに比べると、東京の図書館は狭いし、来る人は多いし、コロナだし、本当に大変だとは思います。夏は冷房を求めて人が来る、高齢者や学生は朝から席取りに並ぶ、本を借りるにも並ぶ、そんな人口密度の高い都会の図書館ですから今はどんなだろう?と思いました。

入り口には門番のように係の人が二人。もちろん検温、手指消毒、マスク使用で入ります。長居しない様にこういう券?のようなものが配布されました。これを持っていて、パトロールの人?が来たら見せるのだそうです。なるほど、これなら席の取り合いにならないし、人数も調整できます。

でも思ったよりも空いていました。日曜の午後なのに、、、、。以前なら家族連れや高齢者も含め、賑わいも感じる図書館だったのですが。本棚巡りをしながら考えました。この図書館の山ほどの本の存在が、今や、心配と思う人もあるのでは。つまりは本の一冊一冊が誰かの手を渡ってきたもので、どこかの家にあった、どこかの飲食店に置かれていたものかもしれません。と思うと、私は消毒したけれど、本そのものも消毒したい、と思ってしまいます。

以前なら、そんなこと考えなかったのに。私は消毒好きになってしまったのでしょうか?かといって、消毒スプレーをかけるわけにもいきません。本がそうなら、お金だってみんなの手を渡ってくるのだから、何でも消毒しだしたらきりがない。

本は、装丁はもちろん、手触りや匂いも本の一部です。さらに図書館で借りる本は、買ったものとはまた違う世界があって、私の前にどんな人が見たのかな?え、誰も見た形跡がない。じゃあ、私がしっかり読んであげる。みたいな、ほかの人との共有感も好きでした。

図書館で借りた本を持って、新宿御苑に行って、ベンチでお弁当とたい焼きをぱくついて、外国人の観光客などと写真も撮りあう。そんな時間が戻ることはあるのでしょうか。