よーいドン

ちょっとしたこと

2週間前、うちにいると「位置について、よーい、ドン!」という、聞いたこちらも身構えてしまうほどの、女性の大きな掛け声がしました。ドン、の後はスタスタスタと道をかける音。その後、夫が現場を目撃、母と小5くらい男の子が、我が家横の細い一本道で駆けっこの特訓と判明しました。うちだけでなく、ご近所も交通整理などして応援。運動会、結果はどうだったのでしょう。

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ま、話はこれだけなのですが。実にほのぼのとした時間だったのです。

私がいるあたりは子供が遊べる公園や広場は本当に少ないです。ちっぽけな公園に行くまでに、危険な道路を歩かなくてはならない、たどり着いても混んでいて、直線を走る練習などできません。それがちょうどうちの横の路地があまり車の来ない裏道なので選ばれたのでしょう。後から聞けば、その道の一番はずれにある家の母子らしいのでした。

暇な夫の話によると、「昨日は2本だったけど、今日は『あと1本!』て声がかかって、3本走っていたよ」とか。そんなに特訓して、男の子は疲れちゃわないのかと心配になります。「けっこう本格的な指導なんだよ、『手のふりが少ない!』とかさ~。あのお母さん陸上やっていたのかなあ」」と夫。

そしてついに、ほかの家のおじさんも応援に参加。近くにに「カメ太」というカメを飼っているおじさんが居まして、(以前ブログに書きましたが)いつしかその方のことをわが夫婦は「カメ太さん」と呼んでいるのですが、このおじさんが“交通整理?”を始めたのだそうです。「今大丈夫だよ、車来ないよ」とか。

その様子をまた、夫も眺めているわけです。角の家の足の悪いおばあさんも、窓から乗り出してみる。通りがかりの人は道の端によけて拍手する。そんな日々が続いたのでした。

練習がピタリと止んだ日の翌日が、きっと運動会だったはず。坊やはいかに・・・。知らん顔して暮らしているような都会でも、こんなことがあるのでした、というお話。