ご当地ハーバリウム

お仕事で

お家時間が長くなり「ハーバリウム」が人気、とニュースが伝えていました。ガラス容器にドライフラワーなどをオイルとともに入れ鑑賞する、インテリア。雲仙市で、地域にこだわったものを作ってみようとワークショップがありました。地元産のお花はもちろん、特産の煮干し、温泉の湯の花、干し椎茸などが入り地域紹介のような作品が完成。ほかの土地でもできそうです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ハーバリウムを見たことない方へ、これは先生の作品です。瓶の中でお花がカラフルに、家にいくつかあると華やぎますね。コロナ禍です、感染に気をつけて「きれい」「楽しい」という言葉が出るような時間が持ちたい。趣味×地域=新しい何かが広がるのでは、そんな思いで開催した催しでした。

あらかじめ、どんなイメージの物にしたいか?先生からの問いかけに私が描いた絵です。そして、なかに入れるのは乾いているものならOKとうかがい、当日材料も持ち込みました。煮干しや干し椎茸、トウガラシ、黒米、干し大根。雲仙の地元の直売所で買いました。また立ち寄った雲仙温泉の宿「福田屋」さんのシェフが作っている畑「福田屋ふぁーむ」で摘み取ったものも集め、「冬畑」をイメージしてみました。レモングラス、バジルの実、フェンネルの実、オクラの実、トウガラシなど。ハバネロは少々生ですね~。

会場は海辺の市役所支所。この海で獲れたカタクチイワシの煮干しも、今日はハーバリウムになるわけです。窓からは海や山が見える会場ですが、アクリル板を立てて。私は東京から来ているのでPCR検査陰性でも、用心し、隣の部屋からリモートで参加でした。講師は市内在住の本多容子さん、お勤めをしながらハーバリウムを楽しむチャーミングな方。私一人のために、めんどうなリモート対応も試みてくださいました。

さて、下の写真は本多さんが用意してくださった材料です。普通はドライフラワーが主ですが、今日は花も雲仙産が。そう雲仙は花の産地でもあります。そして、「ミックス煮干し」という、地元「天洋丸」さんのいろいろな煮干しが入った袋詰め。同じく「アイアカネ工房」さんの藍の葉、藍染の糸、綿の実など。カチカチの白い湯の花は温泉地ならではのもの。雲仙市南串山の海で拾ったというウニの殻も届きました。こんな材料で、本多さんも初めてだと思います。

まずは入れるものをバイキングの様にトレイにとります。リモートの私はできないので、先生が適当に選び、届けてくださいました。大きなピンセットで、完成の形を考えながら瓶に入れていきます。

そして、最後に特殊なオイルを入れれば完成なのですが、なかなかこれが難しい。市内で栽培されているデルフィニウムという青い花を海に見立てて、そこに煮干しを泳がせようとするのですが、小さな煮干しは瓶の底に落ちちゃう。そこで細いワイヤ~を入れますと、それに引っかかって浮く感じになる。よしと思って、さらに椎茸や、湯の花を入れると、また煮干しが頭から落下。なんて具合でした。

オイルを入れると急に綺麗に輝やきます。次々とみんなの作品ができていきました。蓋やリボンでも表情が変わります。光を当てるとなおさら綺麗。子どもたちも大喜び!

なんと、「ミックス煮干し」の袋に入っていた、小さなイカの干物を入れたママさんも。イカも驚いたでしょうね?まさかハーバリウムになるとは・・。ニンジンの葉を乾かしてお持ちの男性の作品は、真っ赤なトウガラシが効いています。なんだかおいしそうな完成品。

そしてこれが野口作品!と言っても真ん中の瓶は先生が作ってくださったもの。煮干しがしっかり泳いでいます。同じ3つの作品ですが、明るい光のあるところで撮るとぐっときれいですね。左は野口撮影。右は先生撮影。ちがいます!

今回は「雲仙人ツーリズム」という名の、プチ体験の試みでした。ツーリズムと言ってもあちこち旅をするのではなく、雲仙の人(得意技のある人を「雲仙人・くもせんにん」と呼んでいます)を訪ねて、そこで何かを体験し、いつもとは違う世界へいざなう、というもの。しっかり集中して、日常を忘れ、キラキラ華やかなハーバリウム・タイムが体験できました。

参加した親子は、イカや煮干しの入った瓶を眺め、毎日どんな会話をするのでしょう。今回は雲仙でしたが、ご当地ハーバリウムはもっと各地でできそうです。静岡ではお茶を入れる?岩手ではいろいろな雑穀を層にして入れる?奈良の鹿の糞?は、、、、無理か。

何かを、普通にやるのは簡単だけど、コロナだからと止めるのも簡単だけど、ちょっと変わったこと、ちょっとチャレンジをすると、そこからまた広がることってありますね。やってよかった~。本多先生、スタッフの皆さんお疲れさまでした。(写真は雲仙市役所のスタッフ撮影分もお借りしています)