「のりもく」と「動楽市」

ゆとりある記

あまり予習せず、やたら期待せず、ぶらりと立ち寄ったところが思いがけず良いと、得した気分。嬉しくなります。先日、群馬県富岡市でそんなことが2回ありました。天蚕農家の家で木工教室をする「norimoku(のりもく)」。自由に遊べる木工玩具がいっぱいです。市役所前でのフリーマーケット「動楽市」はおしゃれで工夫のあるものがいっぱい。富岡市、やるなあ~って感じです。

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富岡市額部、ぶらりと連れて行っていただいたおうち。100年以上昔の養蚕家屋が木工教室になっていました。「“のりもく”さんへ行きましょう!」と言われて、深く詮索しないままだったので、実際に行って驚いたのでした。

座敷は木製玩具がわんさかです。「かわいい~~」「すご~~い」私のようなおばちゃんも、同行の若い男性も、あっという間に子供の心になってしまった感じ。木馬ゴロゴロ、自動車ブーブー、木でできたお魚も釣ろう、という具合。

反対側の土間は木工作業場。目の前で次々とウサギのおもちゃなどが出来ていきます。お店の名前は、ご主人の名前からだそうで、ここが出来たのは3年前のようです。

特に詳しくお話を伺ったわけでもありませんが、ここにいるだけで、木の良さ、木工の楽しさが伝わってきました。子連れでここに来て、子ども達は座敷で遊び、大人は木工にチャレンジできます。このバイクのようなウルトラ級の作品はともかく、象さんのパズルなどなら作れそうです。都会にはない、贅沢な場所でした。

さて、こちらはまた別の日のこと。上州富岡の駅前が何だかにぎやかです。

人の列のもとをたどると、市役所前の広場。白いテントがたくさん並び、フリーマーケットのようです。道路を挟んだ向こうにも、お店。何やらコーラスも聞こえてきました。

「動楽市」だそうです。第21回とあります。そんなに続けてきているなんて、もっと早くから見物したかった!と思うクラフト類がいろいろ並んでいます。

どれもこれも、お洒落で素敵。生活提案のあるものばかり。野菜などが並ぶ市とはちょっとテイストが違いますね。富岡近郊から作家さんやお店が出店して来ているようです。

目を引いたのは「クモの巣とり」の文字。え?これでクモの巣をからげとるの?あってもなくてもいいものなのかもしれませんが、なんだか気になって、身近に置いておきたくて、買ってしまいました。

お店の方いわく「猫がじゃれてくれますよ」とのこと。クモは迷惑、猫は喜ぶ代物でした。「箒モロコシ」という植物を栽培し、種を取り、細く束ね、綺麗な布を巻き、吊るす紐をつけている。500円では申し訳ない丁寧な仕事がされています。

次々と女性たちが買っていきますが、誰もがクモの巣で困っているようにも見えない。要は、こういうの家に置きたい、ということなのでしょう。

 

なんとなく覗いたら、こんな場所に、催しに、ものに出会えた。また今度来たいな~。そう思わせてくれた富岡、魅力は製糸場だけではなかったのでした。もっと深堀りしたくなります。