子供の日の「こども植物園」

ちょっとしたこと

横浜こども植物園。子供の日だし、こども植物園だし、子供だらけかと思ったら、大人がたくさんくつろいでいました。仕事から解放されて、バラと緑の香りに包まれて。今の連続ドラマ「らんまん」の影響もあるのでしょうか?地味な野草などを丁寧に観察する姿も。太陽と、新緑と季節の花を前にしたら、小さなことはどうでも良くなり、生身の私が甦ってきたのでした。

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以前ここについて少し触れましたが、今回はめがけてちゃんと訪ねました。園に着いたら、思い立って作った簡単なお弁当で、まずは腹ごしらえ。

足元に落ちている小さなお星さまは、この時期に咲くエゴの樹の花です。伊豆の天城で初めて見たことを思い出しました。

この園では、子どもでも分かるように表示が丁寧で、私には嬉しかったです。あの牧野富太郎がかかわった、「横浜竹」というササもありました。

先日、実家で邪魔でどんどん切ってしまったシダ類が、大事に名札付きで展示されています。『方丈記』の鴨長明はこういうのを乾かして、布団の中身にしていたんですね。

園内はいろいろなエリアに分かれています、今の人気はバラ園です。こじんまりですが、いい香りです。

バラにも「殿堂入り」と「香りのよい」とがある。そう思うと、そうですね。

香るバラには、次々と訪れる人が鼻をつけています。もちろん私も。

さっきまで私の後ろのベンチで難しい話を盛んにしていたおじ様たちも、花の前に立つといいお顔でした。

平安時代に中国から渡ったバラと同系列というバラ。バラ好きだった我が父に見せてあげたいなあ。

少し離れたところに、植物遺伝学者 木原均さんの肖像がありました。栽培小麦の祖先種を解明されたのだそうです。世界に先駆けて「ゲノム説」を確立されたそうです。

このあたりは観光客はあまり来ない、静かな空間。博士の偉業が紹介されている中で、この言葉がしみてきました。みんな違って、それが素晴らしいことだ、と。

そう思うと、園には一人で本やスマホを見ている人、ただただ歩いている人、私の様に夫婦でお弁当を食べている人、目を休めに来ている人、写真を撮っている人、いろいろです。大人たちがさまざまに植物園で過ごしている、それが実にいい時感じでした。

「こども」とうたってあるけれども、ここは大人が肩の力を抜いて、子どもになれるところなのでしょう。また来ますね!