木綿街道と一式飾

ゆとりある記

雲州平田、いまは合併して出雲市平田町。ここの「木綿街道」を訪ねました。

かつて木綿の集散地として栄えた町並みに、醤油屋・酒屋など。なかなか風情があります。

一方、驚いたのはまちのあちこちにある「平田一式飾」。昔、茶道具一式で大黒様の人形飾りを作ったのに始まる飾り物です。

たくさんの陶器を針金で繋いで作られた弁慶やら孫悟空やら。個性を感じたまちでした。
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出雲大社以外で、あとはどこにいこうかなあ?ってときに、観光案内で教えていただいた「木綿街道」。名前の響きが魅力的で出かけてみました。

一畑電車というかわいい電車でコトコトと行きます。着いた雲州平田駅はのんびり感満載。

タクシーなどに乗ったらつまらない、「木綿街道」の名がつく街並みまで歩きました。

いくつかのエリアに分かれてはいますが、小さな川沿いに、江戸から明治にかけて木綿の商いが行われていた面影残る古い商家が並びます。

綿の種が売られていたり。

花が飾られていたり。


交流館で一休み。名物の「ショウガ糖」とお抹茶が美味しいこと。


外に出ると、子どもたちが勉強中。聞けば「一式飾」を数え歩いているのだとか。社会科の勉強かな?いくつ見つけたか、と競っています。それなら私も、と歩き始めました。


多少予習はしましたが、この「平田一式飾」というのは面白い、おかしい、へんてこりんで変わったものです。江戸時代、茶道具一式で「大黒天」を作り、平田天満宮へ奉納したことが始まりとのこと。

そのルーツに近いものが「ほんまち展示館」にありました。ふ~ん、なるほど。こういう感じのものを昔作ったということか・・・。


しかし、今やそこから大型化、高度化して、その飾りは他に類を見ないアートの域に達しています。

出雲市無形民俗文化財です。毎年夏まつりには、各町内が競って一式飾を作って奉納するとのこと。このまちの人たちはタダ者じゃないと思いました。


ご覧ください、これは孫悟空の足部分。遠目には分かりませんが陶器などは穴をあけずに、針金で括り付けてあります。解体したらまた使えるというのが一式飾の取り決め。なんとも資源を大事にするスローライフ飾ではないですか!

小皿や茶わんやとっくりや刺身皿や箸置きやら、まあいろんなものがその形と色を活かして、括られています。

自転車の部品で作ったエビ。


金物屋さんの店先にもチャップリンが。金物も使っているのかなあ。

そこにまたさっきの子どもたちが来ました。「神社に小さいのがあるよ」と教えてくれます。

平田天満宮・宇美神社に行くと、かくれんぼのように境内のあちこちにかわいいミニ一式飾がありました。これなら私にも作れそう~!

古いまち並みを活かしたり、陶器で飾りを作ったり、すべてが知恵と技のなすこと。こういうことが、まちづくりの基本ですね。

個性のあるまちには、また来たくなります。今度は、一式飾を作らせてもらいたいものです。

最後は出雲縁結び空港の一式飾がお見送りしてくれました。"