ワークショップって何?
まちづくりのコンサルタントという仕事をしていると、「ワークショップ」は日常的な言葉です。
だから現場ではすぐにワークショップしましょう、という
ことになりがちですが、実は「それ何?」「カタカナ言葉はどうも・・・」という人が多いものです。
しかも、そういう人たちこそワークショップを通して繋がったり、発見したりしてほしい。先日、福井市越廼でもそうでした。
11月8・9日に行われた「全国グリーンツーリズムネットワーク福井大会」、分科会の一つが福井市越廼(こしの)で行われました。
地元の方々が実行委員会をつくり、この分科会をやり抜こうということで、何度もミーティングがありました。
テーマは「越前海岸の里海ツーリズムがめざすもの」、私はコーディネーターを頼まれました。
当初はシンポジウムが企画されていましたが、ありがたいお話をただ聞いていてもつまらないと、ワークショップにすることをすすめました。
「自然・食・文化を核に、スローツーリズムをみんなで考えよう!」という3時間です。
前半はツーリズムを組み立てる素材探し、後半はグループに分かれ、対象者をはっきりさせて旅のメニューを構成しようというもの。
こういうことに慣れている人たちなら、「はいはい」という内容ですが、地元の実行委員会の方々は「???」でした。
そりゃあそうです、いつもお魚を扱っている人、商売をしている人の日常語に「ワークショップ」はありません。
2度ほど説明にうかがいましたが、当日までいったい何をするのやら?、たくさんののハテナが残ったはずです。
地元と他所からの方々、合計約50人の参加者。受付や説明、へしこの試食など役割分担はされていましたがどうも、他所の人を地元の人が遠目に見ている感じ。海辺のおじさんたちの緊張感や舞い上がり方が妙に伝わってきます。
あちこちを見学して、いよいよ室内で大きなカードに、印象深かったことを書き、それを班ごとに整理していく。このあたりで、ようやく和みました。
他所から来た人に、地元のことは地元人が教えられます。
カードに書くのは何も難しいことじゃなくて、数文字でいい、ひらがなでもいい。「字なんて書くの久しぶりだよ」なんていいながら。
それを整理して発表するために、模造紙に何か描く?「下手な絵で良けりゃ描いてみるか~」ああでもないこうでもないと話しながら「水仙の絵を俺が描く」「よしきたカニでもか描くか」模造紙に向かうお尻が張り切っています。
地元のみんなが他所の人とすっかり仲良くなり、そして最後は発表と、たくさんの拍手です。
そこにいるみんなが作業を通して、発見や合意形成をしていく、言葉ではなかなか伝わらない「ワークショップ」の楽しさが、初体験でわかってくれたかな。
「こういうのなら、何度もやりたいよ~」実行委員会のおじさんが最後に笑顔で言いにきました。何度もやれば、きっと越廼で里海ツーリズムが起こせるはずです!
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