金時草と太キュウリ

ゆとりある記

先日、金沢に行ったとき、この2つを初めていただきました。今や、何でも口に入れているような時代「え?知らない」というものに出会うと、わくわくします。

しかも土地に根ざしたものならば、地元の人の話がさらに味わいを深かめてくれます。おいしい味、独特の香りと歯ざわり、そしてエピソード。

地域野菜は、わがまち自慢と思い出づくりに重要な役目を担っています。

地元の飲み屋さんに行って、先ずは「加賀太キュウリ」を。酢の物などで食べることが多いそうですが味の分かりやすい、切っただけの生をいただきます。甘みそをつけるのと、塩オリーブ油かけと。

ウリのような表情の「太キュウリ」は皮を厚めに剥くことがコツとのこと。果肉はきめ細かく、淡白で、少しキュウリらしい品のいい香りが。

寿司ネタのようにガラスケースの中にラップに包まれて「太キュウリ」がえばってるのが面白かったのですが、えばるだけあるおいしさです。

続いて「金時草」。この時点ではその姿をみていないので「海草ですか?」なんて質問などしてしまいます。酢の物で出てきた葉っぱは、少しトロミのあるシャキシャキ。「なんだろう?」独特の香りがあります。

ご案内いただいた地元の方いわく、「沖縄の方から来た野菜だそうです。生は紫。葉をとった後、茎をさしておくとつきますよ。強いんだね。僕なんか5年ものをそうして育てていたことある」

こんな話を聞いたら、「よし、私も育てる!」とこっそり決意したのでした。

「ヘタ紫なすの煮びたし」も。これも加賀野菜。もちろんたんぱく質も。お酒がすすみます。

翌朝、早速、近江町市場に行きました。金沢の台所、観光名所でもあります。

加賀野菜があっちにも、こっちにも。地元のおばちゃたちがが、わしづかみにして買っていきます。

紫色の元気一杯の金時草を発見!「金時草はどう食べますか?」と聞けば「鶏のささ身と酢の物が一番おいしい」「私はあのにおいが嫌い、お父さんは好物だけど」「うちは金時草作ってる農家。ポリフェノールが身体にいいんだよ」など、いろんな話が帰ってきます。

「太キュウリはラップして売ってるの買いなさいよ、東京までなら」とのアドバイスを受け帰路に。大荷物で金沢駅の個性的なゲートをくぐったのでした。

電車の中でも、なかなかかさばるお土産ではありますが・・。お菓子などよりずっと魅力的なお土産です。

家に戻り早速「金時草」初料理です。びっくりの紫に、夫も「たべもの~?」と不安気。茹でると緑に変身、においは、そう、ドクダミに似た香りです。

さっと、ポン酢をかけていただきましたが、栄養の塊を
食べている実感で、おいしいおいしい。

葉をとった後の茎は今ベランダの植木鉢で、東京の夏と戦いながら順調に芽吹いています。